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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
73/110

振替休日①




 ナビール祭が休日にあったので翌日から三日間は振替休日だ。三連休だしゴーレムの迷宮に行きたいところだけど、スケッチに連絡してないんだよね。突然早く行っても迷惑だろうし、ゴーレムの迷宮はちょっと出遅れる感じか。そろそろソロランクも受けたいから今日は依頼を探そうかなぁ。


「セリカ様、お客様だそうです」

「お客様……?」


 こんな時間に?

 談話室に行くと、基礎のメンバーが揃っていた。ソフォス講師もいる。何これ?


「おはようございます。これは一体?」

「今日は狩りの日だ!」

「聞いてないんだけど」

「言ったではないか! 君は聞いてなかったかもしれないが」


 全然覚えないんだけど……。エフィムのいう事だし聞き流してたのかも。せっかくの三連休が……。


「世話になるからな! これはほんの気持ちだ!」


 小振りの機械弓だ。しかもこれ、いいやつじゃん! ちょっとテンションあがった。


「エフィム金持ちだし遠慮なく頂く! ありがとう!」

「ではさっそく出発だ!」

「ちょっと待って、用意してくるから。帰宅予定はいつ? 使用人は?」

「明後日の夜だ! 魔動車は狭いからな、使用人はいらん!」


 ちょっとぎりぎりすぎじゃないですかね。三連休全部潰れるじゃん! しかし機械弓を受け取った手前文句言えない!

 スケッチも一緒に行くんだし、オネエとサオンの二人かぁ。迷宮は行っても行かなくてもいいし、休みでもいいかな。任せよう。

 このメンバーなら杖より実技で選択している剣がいいかな。この機械弓ももちろん持っていく。試し撃ち、楽しみ。

 

「お待たせ。目的地ってどこ? 買い出しは済ませた?」

「魔動車は手続きしておいた! 目的地は決めず、自由気ままに楽しもうじゃないか!」


 魔動車の運転だけならそれでもいいんだけど……。


「狩りは二の次でいいの?」


 強いモンスターが出てもソフォス講師もいるし、私も対処出来るけど、逆に狩りに適したモンスターか動物がいないと、ちょっとつまらないんじゃないか?


「む。せっかくだ、狩りも楽しみたいな!」

「魔法の練習」

「私は魔動車の運転だけで構わないよ?」


 うん、スポンサーのいう事を聞くべきか。


「買い出しの時に地図も買おうか。宿には泊まる?」

「魔動車で夜営」

「あー……スケッチ、二泊出来るくらいの買い出し、肉以外で頼むね。道具は大体用意して来たけど。私は地図買って来るから」


 三人はスケッチの荷物持ちとして着いて行ってもらおう。地図はギルドで買いたいし、私がハンターなことを知らない人とギルドに行きたくないんだよね。

 ついでにこなせそうな依頼があったら受けてこよう。せっかくだしね!



 地図のモンスター分布を見ても特に希望が出なかったので、私の都合で西方面へ向かうことにした。薬草の採取なのでポイントは少ないけど、ついでなので仕方ない。出来れば素材の納品が出来そうなモンスターが出てくれればいいな。

 一日目午前の運転はエフィムで、隣にスケッチが乗ることになった。どうせなら美味しいお肉が食べたいし、鳥型モンスターの目撃が多い地域に向かってもらうことにした。

 夜営もあるので講師は仮眠。メリルは静かに最新の魔法書を読んでいる。私は罠解除の本。読書と罠解除のパラメータが緩やかに上がる。そろそろ本番に挑みたいなぁ。

 モンスターの気配を感じ取ったので、窓から空を見上げる。まだ遠いけど、間違いない。


「スケッチ、肉! 止めて!」

「肉って……間違ってないけどさ……」


 さてどうしよう。

 魔動車から降りて鳥型モンスターが近付くのを待つ。警戒している様子はないので、このまま上空を飛んでいくつもりだろう。


「運転してないし、メリルが魔法の練習する?」

「やる」

「今回は譲るが、次は私だからな!」


 弱いモンスターだし素材は要らないので、特に口出しはしないでおこう。たぶん大技使いたいだろうし。

 予想通り、メリルは風の魔法でバランスを崩し火の矢で止めを刺した。落ちて来たモンスターを解体する。


「嘴が一つ綺麗な状態で残ってるけど、いる? 捨てる?」

「いる」


 洗浄で綺麗にしてメリルに渡す。


「すごい」

「初獲物? アクセサリーにしてもいいかもね」


 嘴なら削れば何か作れそうだし。

 肉はブロックごとにわけて、保存袋に入れる。保存袋といっても長持ちはしないので、帰ったらすぐに処理しないといけない。昼食用の肉だけ熟成させた。


「さー、ちょっと早いけど昼食の用意しよう。モンスターが来たら各自適当に狩ってね。ソフォス講師は出来上がるまで仮眠どうぞ」


 私が料理を始めるとメリルがじっと見てくる。もしかして料理したいんだろうか。メリルって貴族位なんだっけ。料理させてもいい位? 下位なら問題ないみたいだけど、上位中位はあんまりよくないみたいなんだよね。

 まーでもいいか。メリルだし。


「興味あるなら料理してみる?」


 メリルは一瞬の間の後、ゆるりと首を振った。


「まだ研究してない」

「……研究って何?」

「今からする」


 研究ってつまり、私が料理するところを見て覚えるってことか? よくわからんが作ればいいの?

 私はまだ窯魔法も加熱魔法も覚えていない。肉は薄切りにして携帯ストーブを使いフライパンで焼く。調味料はブレンド済みの醤油ベースのタレがあるので便利だ。葉野菜を二種類手でちぎり買っておいたパンに挟むだけ。

 鍋に水を入れて固形スープ、干し野菜と肉を入れて火にかけた。


「もう出来るよ。スケッチ、ソフォス講師呼んで来て」


 御者席でぐったりしていたスケッチに声を掛ける。

 エフィムは……狩りか。獲物を手に持って戻って来た。エフィムの装備って片手剣に盾なんだよね。でも魔法の方が得意と。何か魔法剣士っぽいな。


「これは食べられるか!?」

「……臭みがあって美味しくないけど毒はない」


 あ、がっかりしてる。

 しかし私はその肉は好きじゃない。

 出来上がったスープを器に注ぎ、鍋類は洗浄し手早く片付け。洗浄マジ便利。


「スープを飲み終わって水が欲しい人は言ってね」


 基礎の発表もあったし、火魔法を使える人が多いからたぶん水魔法は設定してないと思うんだよね。

 

「そういえば基礎の発表、どうだった? 初日のことはスケッチに聞いたけど」

「大盛況だった! 初日の噂を聞いたのか二日目、三日目と観客が多くて!」

「三日目に多いのは珍しいことだよ。例年三日目は剣術の決勝戦と被るから」


 あー、そっか。剣術馬術がメインだもんね。


「魔法院から問い合わせもあったしね」

「どんな」

「日頃の研究内容とかメンバーとかね。注目されているし、来年度からは基礎が正式に選択教科に加えられるかもしれないね」


 来年も基礎があるのは嬉しいな。身内だけの時なら自由設定で好き放題だけど、他人がいるとそうもいかないし。うっかり使ってしまったときの言い訳にもなるし、しっかり覚えておきたい。


「クラスメイトのご令嬢が基礎に興味を示していたので、喜ぶかもしれません」

「ああ……ドーリス・シュヴァーン嬢かな。あの子はなあ……どうなるかなあ」

「どういうことですか?」

「ルールとしては途中編入は出来ないんだけどね」


 上位貴族だしなぁ。ルールとしては禁止されていてもどうなることか。私としては絡まれなければどうでもいいけどね。ただそれがきっかけでルール違反が増えるのは頂けないけど。前例があると面倒だよね。


「そうだ! 蜘蛛部屋! 出て来た女の子泣いてましたけどいいんですか?」

「学園長の許可は出てるから大丈夫」

「そういう問題なんですか? あとで文句を言われたりしません?」

「そもそもナビール祭用の案内図に記載されていない講義室への入室は禁止されてるよ。禁止されていることをやって文句言われても困るよね」


 屁理屈じゃないのかそれ。いや間違ってるわけじゃないんだけど。


「一部の人以外、あの部屋のことは知らないから大丈夫。君らはただ言われたことをやっただけ。気にしなくていいよ」


 釈然としないんですが。


「私もあの部屋に行って見たぞ! 知っていたのに驚いてしまった!」

「わたしも見た。あれはすごい」

「良い出来だったよね。来年はもっとすごいものにしたいね」

「おお! 来年はぜひ私も協力したい!」

「わたしもやる」


 乗り気ですね。代わりに私抜きにしてほしいなぁ。スケッチも微妙な顔してるし。でも映像を使うならスケッチは外せないんだよね。画力は貴重。来年はスケッチを人身御供にして逃げ出したい。










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