表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
70/110

ナビール祭①

 



 ナビール祭初日。

 メインの剣術大会と馬術大会予選日でもある。

 ユーリー様の予選が午後で、私の受付担当も午後なので、初日の午前は一緒に見て回ることになった。他の人の予選見て対策練らなくていいの? 私なら敵情視察したいけど。

 倶楽部の展示は講義室を使っている。色んな属性の魔法研究倶楽部を見て回った。新しい発見はないけどそこそこおもしろい。

 フェリシー様の所属するレース編みの倶楽部も見学した。個々で制作した色んな種類のレース編みが展示されている。レース編みを使った服もかわいいよね。私はあんまり似合わないけど、サオンなら似合うかな。


「あ、フェリシー様の作品ですね」


 おぉ、さすが。一際目立つ位置に展示されたレース編み。これを編んでいる時のフェリシー様はきっと妖精のように違いない。もともと妖精みたいに可憐で美しいけどね!

 レース編みの展示を見終わると、目ぼしい展示はほぼ終わりだ。


「案内図に載ってないけど隣が何か騒がしいね」

「空き部屋で学生が休憩しているのかもしれませんね。それよりもカフェテリアに参りませんか? 時間があまりありませんし」


 本当は買い食いしたいんだけどユーリー様だしなぁ。ユーリー様を促して、カフェテリアへ急ぐ。背後の悲鳴は聞かなかったことにして。





 午後は受付の当番で、招待客にナビール祭用の案内図を渡すことになっている。とはいえ大半はそれぞれの使用人がやってしまうので、かなり暇だ。私もサオンとオネエを連れて来ているし、他の人も二人の使用人がいて手持無沙汰の様子。

 そもそもこの案内図を渡す係、必要ないでしょ。めんどいよ。帰っていい? 手渡し以外にも各所に案内図置きがあり、自由に取ることが出来る。招待客のチェックももっと手前で講師や講師の使用人が行っているし、何のためにいるのか本気でわからない。賓客の案内は上級生の役目で、これに関してはメリットがあるらしいけどさ。詳しくは聞いてないけど、魔法院のお偉いさんの案内は魔法院を志望している上級生らしいし。ここで好印象を与えて面接のポイント稼ぎ。そんなんで稼げるの? 上位の貴族はそんな心配しなくてもすんなり進学できるということで、上級生の中位貴族辺りでは委員の競争率は高いんだって。

 うん、ハンターには関係ないね!


「午前中はユーリーと回ったのかい?」

「えぇ」


 同じAクラスのもう一人の実行委員、パーヴェル・ストラーウス。明るい茶髪のさわやかそうな三位貴族。いつもにこにこしていて人当たりの良さそうな好青年だ。ユーリー様とたぶん親しい。

 たぶんなのは、正直ユーリー様の口から名前が出たことがないからだ。というかユーリー様はそういう話しないからね。一緒に行動しているところをよく見るし、たぶん親しいんだろう。どうでもいいけど。


「何か面白いものはあった?」

「そうですね。レース編みは美しかったですわ」


 そんなに見てないし、面白いものって言ってもなぁ。

 属性魔法の発表とか剣術大会の予選とかを見ていればもっと面白かったと思うんだけど。もともと展示って苦手なんだよね。動かないものより動くものがみたい。

 パーヴェル・ストラーウスが目を細めて笑う。なんかチェシャ猫っぽい?


「君は興味なさそうだもんね?」


 え、何それ。どういう意味? こういう返答に困ること言うの止めて欲しいわ。とりあえず笑って誤魔化すけど。


「正直君が何でユーリーの婚約者なのか」


 お? おぉ?


「三位貴族の中でも上位なのに、何で四位の貴族なんか……」


 そんなこと知らんわ! 親に言えよ!

 もしくはユーリー様を説得すればいいじゃん。うちの方が下位なんだから、そっちから婚約破棄するのが普通だし。


「君もそう思わない?」

「そうですわね。ユーリー様は私にはもったいない方だと思います。婚約について直前まで何も知らされていないので詳しいことは存じませんが」


 貴族の話とか教えてもらってないし。三位貴族の中でも上位とか初めて聞いたし、そんなのあるんだって感じだし。

 

「君とのことがなければ妹との縁談が進んだのに」


 ほー?

 私が横取りした感じになってんのかな?

 実行犯は私じゃないけど、被害者からしてみれば一緒だよね。もしかしてユーリー様が大人しいのもそのせいかな? ゲームじゃもっと積極性があったような気もするし。


「それは申し訳ございません。何も存じませんで」


 ユーリー様と妹ちゃんが仲良かったなら悪いことしたよね。婚約破棄とか出来ない? いや私からは出来ないからユーリー様を唆すか。

 それからなぜか始まる妹自慢。

 受付業務そっちのけなんですがそれは。


「君とは違ってお淑やかでユーリーに相応しい――」


 はいはい。

 お淑やかでレース編みとか刺繍とか得意なんですよね。私はしたことないですねすみませんね。


「まだ十四歳だというのに先月のパーティでも――」


 はいはい。

 パーティの注目の的な美少女なんですよね。パーティ? 社交? 何それ? って思っててすみませんね。


「ユーリーと並ぶ姿もお似合いで――」


 はいはい。

 小柄でユーリー様より明らかに身長低いんですよね。同じくらいですみませんね。でもそれ私だけじゃなくてユーリー様が小さいって言ってるからね。わかってんのか。

 ちなみに私は165㎝ちょっとある。ユーリー様もたぶん同じくらいだ。ゲームではもっと高かったし、成長期は今からなんだろう。

 ネチネチと数時間で妹の情報をかなり仕入れてしまった。

 誰だこいつのことさわやかそうって言ったのは! 私だよ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ