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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
66/110

三連休①




 ナビール祭では、魔道具の展示がある。しかし私が作っているのはダーツの的を走らせるためのレールだ。見栄えがしないというか一見用途不明だし魔道具っぽくもないので、それまでに作った皆と同じの基礎的なものを展示することにした。

 器用な子たちは自由に作っているけど、不器用な子は基礎的なものしか作ってないので浮くことはないだろう。

 そもそも余程目立つものじゃなければ誰も見ないよねぇ。

 などと身も蓋もないことを考えながら、ヒートアップするエフィムの演説を聞き流していた。

 ナビール祭では、風と火は合同で発表、他の属性はそれぞれで発表する。大体スキルの高い人が発表して低い人は雑用というか出番はない。主に活躍の場は三年生のものとなる。基礎は一年生しかいないので、エフィムがとても張り切っているというわけだ。暑苦しい。

 だがしかし、基礎魔法は見栄えがしない上に、まだまだ腕が足りない。誰もまともに成功していない上に、どうにかナビール祭に間に合ったとしても、他の属性で最初に覚えるような魔法を披露して何が楽しいのか。論文を発表すればそれなりに評価されるかもしれないが、あくまでナビール祭の魔法は実演するものとなっている。


「皆次回までに考えてくるように!!」


 生徒の自主性に任せていると言えば聞こえはいいが、ソフォス講師はサボりすぎだ。最初から最後までエフィムが仕切って終わった。


 三回目の委員会で、仕事の担当を決めた。一年の仕事は受付のみ。案内図を渡すだけの簡単なお仕事です。それぞれの時間帯を決めたところで終了。案内図の手配は学園側でやってくれるので楽だ。しかし案内図を渡すだけなら適当に人を雇えばいいんじゃないかな。中途半端すぎて生徒にやらせる意味はないと思うよ。

 委員会は席は自由。私は扉から一番近い位置を確保して、隣にスケッチを置いた。シモナ・ベナークを出来るだけ寄せないためだ。そして終了後はダッシュ。完璧だ。ダッシュのスキルを設定している私に敵はない。

 


 シモナ・ベナークを避け、特に変わりなく一週間を終え、待ちに待った三連休!

 一日目の早朝、前回と同じ店で馬車を借りて出発、昼前に到着して前回と同じ宿を確保。ただし今回は食事なし。名物の石焼き料理食べたいし。

 今日は採掘体験と街の観光。さっそく採掘体験へ向かう。

 採掘は、硬めの土に埋もれた鉱石を掘り出すものだった。やっぱり後で埋めた感じだよね。こんな狭い範囲に色んな種類の鉱石が埋もれすぎてて不自然だし。

 時間制限内取り放題ということで気合をいれて採掘開始。遊びでも常に全力です。


「意外と疲れる!」


 開始十分ですでに疲れが出て来た。なんていうか、普段使う筋肉と違う感じがする。意外と神経も使うし。忍耐力も必要?

 

「そうですね。サオンはもうほぼダウンしてます」


 元々器用なタイプじゃないしね。

 小さいピッケルのような、たがねのような道具と金槌を使うのだが、思っていたよりも難しい。スキルを発見して設定してみたけど、サオンはスキルを覚えないようだ。オネエとスケッチは覚えたから、一応設定しておいた。

 細かい作業が得意なオネエと意外と器用なスケッチが他の観光客を含めても一番多く鉱石を採掘。それらをすべて使い易いパーツにしてもらうことにして、待ち時間に観光することにした。

 まずはサオンを回復させるため、甘いものがある軽食屋に入った。私たちは適当にオープンサンドを選び、サオンはチョコレートの掛かったパンケーキを選んだ。

 幸せそうにもぐもぐしているサオンを眺めながら、鉱石の使い道や行きたい店をピックアップ。全員が食べ終わったところで観光開始。


「これ欲しい!」


 石鍋に石板、大理石風のプレート。冬になったらコタツで鍋とか鉄板焼きならぬ石板焼きしたい!


「寮室で鍋は難しいと思いますが」

「ですよねー!」


 寮の部屋、狭いもんなぁ。しかも武器や防具でさらに狭くなってるし。土足禁止エリアを作るスペースがないし、コタツも置けない。そもそもキッチン狭い。食堂あるから必要ないんだけどさ。部室に持ち込むとか駄目かなー、駄目だよねー。でもやるなら武器愛好会の方だよね。ユーリー様の前でやるわけにはいかないし……今年は下級生だし無理かな……来年なら……。乗っ取り……。


「今回は見送りですね。新しい家になるまで我慢してください」


 まだまだ先じゃん! えー、家早く欲しいなぁ。金銭面で無理だけど。

 他にも色々見て回り、けど結局部屋が狭いのに物が増えてもなぁ、新しい家になってから……と躊躇い何も買わず仕舞い。けっこうおもしろそうなものあったんだけど。まぁまた買いに来ればいいか。

 最後にパーツを受け取って、名物石焼き料理を食べに行った。

 石焼き料理は石焼きビビンバで使う石鍋を使った料理や、石板を使った料理の総称のようだ。最後まで熱いまま食べられる、見た目が楽しい、という感じ。餡かけ焼きそばの塩味っぽいものと肉を焼いて食べた。うん、美味しいね。やっぱり石鍋と石板欲しい。つまり早く家欲しい。料理人も雇いたい。東ノ島料理作れる人がいい。

 デザートがなぜか焼きバナナで、これが意外と美味しかった。皮ごと焼いて食べる前に剥くのだが、ただのバナナなのに何でこんな美味しいの? どうなってんの?

 不思議に思いながら一日目が終了。明日はゴーレム狩りである。



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