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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
60/110

新入部員



 本日ダーツ倶楽部活動日。

 サオンを呼んでアカネと三人で活動室に向かう。

 ユーリー様はすでに来ていて、優雅にお茶を飲んでいた。


「アカネ・アマミヤと申します」


 食堂で同席になり意気投合した、という設定で紹介した後、アカネにダーツのルールを説明する。まぁなんちゃってルールなんだけどね。

 初めてなので動かない的で練習する。スキルが効かないのでど真ん中とはいかないけど、的には当たっている。


「これは中々……!」


 楽しそうで何より。

 久しぶりに見たけど、ユーリー様のダーツの腕もかなり上達している。ダーツの的、そろそろ改造してもいいかもしれない。ソフォス講師に相談してみよう。

 サオンが初心者のアカネを完膚なきまで叩きのめした結果、予想通りアカネの入部が決まった。ダーツ倶楽部、負けず嫌い多すぎ。


 

 週末の迷宮は、久々に四人揃って潜った。ストッキングも出来たし他の革装備も大体出来上がったからね。

 ショートパンツに革のビスチェにローブ、編み上げブーツ。肌の露出する部分はもちろん海月装備だ。見た目ではわからないけど、防御力は抜群である。革のボディバッグも中々使い易い。忘れずにゴーグル型サングラスも着用して盗賊気分。

 迷宮に潜る前にパーティランクをFに、サオンとスケッチのソロランクも申請した。Eランクの条件は全員のレベルが5、その上試験もあるので先が長い。

 今日もスケッチが前衛で、十三階辺りを中心に探索。時間を優先して解体は簡単に済ませた。肉や皮を必要な分だけ、基本魔石のみ回収。戦闘時間はかなり増えた。スケッチの体力がつくといいなぁ。

 休日二日間でレベルが上がったのは残念ながらオネエだけ。まぁ他の人はレベル上がったばっかりだからね。レベルが高ければ高いほど上がり難くなるので仕方ない。


「今日は魔石と……皮と肉は少ないですね」

「効率優先で。本当は全部持って来たいんですけど」


 査定してもらいながらアディさんと世間話を少々。

 

「それにしても……脚は大丈夫ですか? 露出が多いと危ないのではないですか?」

「あ、これですか?」


 ふふふ、そうだろう、そうだろう。さぞ危なそうに見えるだろう。だがしかしだ!


「実は海月素材のストッキングはいてるんですよー! おしゃれも出来て防御力もあってやばくないですか?」


 タイツもかわいいと思うけど、やっぱ素足もいいと思うんだよね! 素足じゃないけど! 九ノ月になって一気に気温は下がったけど、気分的に夏に近いし。


「あとこれ。これも実は下に透明のインナー着てて。ビスチェは着たかったけど防御力的にってことで、作ってもらったんです」

「へぇ、海月素材! なるほど……。応用すれば色々出来そうですね」


 応用か……へそ出したり肩出したり? 頭の防御にも使えるかな?



 週明け一番で座学のテストがあった。この日は一日テストのみで、講義の類は一切なし。私はテストが三つあるので休みにならないけど、一つしかない人は半休だ。ちょっとうらやましい。半休とか代休ってお得感あるよね。

 どれだけ出来なくても赤点はないし、補講もない。ただこの成績で来年のクラスが決まるので、手は抜けない。来年もAクラスにならないと怖いし、テストは全力で取り掛かる所存です。

 三つあってもテストのみだからいつもより早い。終わる時間が個々で違うので倶楽部もお休み。これは迷宮日和だね。



「いやっはぁっ!」


 ハンマーをモンスターに思いっきり叩き込む。この感触がたまらない。超楽しい! 採れる素材減ったりするけど。解体の時にちょっと調子乗ったわーと後悔することが多いけど。荷物増やさないように魔石のみにしてるから問題なし!

 十五階で奇声を発している冒険者を見掛けたら、それは私です。

 一日で、っていうか放課後の四時間で十万っておかしくない? すごい。詐欺だ。初日とか何だったんだろう。

 休日も十五階以下にすればすごく稼げるけど、他のメンバーがいるからなぁ。スケッチはまだ無理だよね。やっぱり放課後の空き時間だけか。終わった講義の時間と倶楽部時間を少々迷宮に当てれば週に二十万くらい上乗せ出来るかな? いいねぇ。

 このお金は積立しておこう。変形武器とか卒業後の家とか魔動車製作費とか色々必要だからね。


 

 それから今日はもう一つ、やっておきたいことがある。一人になり難いし面倒で先延ばしにしていたけど、天使に聞きたいことがあったのだ。本に載ってないのか見逃したのか、どっちかわからないんだけど。

 

「ヘルプコール」

『はーい……』


 疲労の滲む声。いつものハイテンションはどうした。


「あのさ、設定してないスキルが勝手に上がってたりするんだけど」

『それはですねー、すごく才能があったりすると自動的に加算されることがあるっていう裏設定ですねー』

「ゲームにそんな設定あった?」

『裏設定なのでゲームには出て来ませんけど。あれですねー、たとえば巫女が15歳の時点で神聖魔法が高いんですよ。設定しててもしてなくても数値が予め高いがために巫女にさせられちゃうんです』


 なるほど。その別バージョンなわけね。


『中には神童扱いされていた子供が15歳になった時、いきなり読書999だったりとか』


 読書で神童かよ!


『明らかに剣の才能があれば、15歳になってすぐに長剣がすでに100を超えたりとか』

「でもそれなら生まれた時からスキルが設定出来るようにしておけばいいのに」

『ゲーム開始が15歳だったから仕方ないですねー』


 まぁそうね。ゲームに近付けて作った世界なんだし、そうなるか。

 主人公が入学時、選んだスキルが1から始まるゲームである。15歳以前からスキルが設定出来ていれば色々差が出て来てしまう。主人公の誕生日は変更出来てたしちょっとズレはあるけどね。


「設定してないのに上がるなら、設定してなくても魔法とか武技が使えるってこともあるの?」

『ありますねー。ただ適性があれば、ですけど。適性っていうか才能っていうかー。巫女扱いされる神聖魔法の才能がある人は、たとえ設定してなくても回復出来たりしますね。奇跡とか火事場の馬鹿力的な?』


 奇跡と火事場の馬鹿力が同列か。いや言いたいことはわかるけど。


「つまり常に使えるわけではないってこと?」

『そうですね。軽傷の人には使えなかったのに、瀕死の人を助けることは出来たみたいな感じですねー。やっぱりいざっていう時にだけ使えるってかっこいいですよねー』

「才能があれば設定してなくても上がることがあって、ピンチの時に120%出ちゃう現象も起こりうる、と……」


 ボス戦闘時にピンチになり、まだ習得していなかったはずの武技が使えて勝利! ってまぁ少年漫画お決まりの見せ場というか、盛り上がる場面よね。

 確かにその展開はいいね。燃えるね。でもさ。私の勝手に上がるスキルって、威圧なんだよね。威圧の才能ってどういうこと? 




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