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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
59/110

九ノ月

 



 夏休み明け九月。始業式などはなく、初日からがっつり講義開始。しかも一週間後に試験があるというお知らせつき。これに受からないと講義が継続になってしまうので本気で取り組む。

 夏休み明けってもっとこう……浮ついた感じがするものだと思うんだけど、そうでもないな。もしかして友達が少ないせいだろうか。


 放課後、カフェテリアで王子(シルヴァン様)とヒロインちゃんが談笑しているところを目撃した。全然気づかなかったけど、いつの間に出会ってたんだろう。

 ユーリー様とも話してたし、もしかしたら他の攻略キャラとも親交あるのかも。ちょっと見たかったなぁ、出会うシーンのスチル。そういやスチルシーンみたらスチルってわかるのだろうか。攻略キャラは花背負うのかなぁ? いやいやまさかね……。

 システム面ではゲームらしさを日々実感してるけど、ストーリー的にはゲームらしさないからね。何かしら見れると楽しそうなんだけど。

 おっと、早く行かないとアカネがまた怒るな。小走りで指定場所まで急ぐ。


「遅いっ!」

「ごめんごめん。それで?」

「投擲の秘訣を教えて」

「秘訣?」


 今回の呼び出しの用件はそれか。しかし秘訣って何だ。


「貴女のところのメイド! すごい腕前だってコジロー様が褒めて……あんなに褒めて!!」


 こえーよ。

 ぎりぎりと音が聞こえてきそうなくらい力んでる。顔も歪んでるから戻してほしい。ライバルキャラなだけあって一応美少女なのに……。

 

「私も腕を上げて褒めて頂くのよ!!」


 あ、はい。


「貴女も上手いんでしょう? 秘訣を教えなさいよ」

「それが人にモノを頼む態度か」

「くっ……これでいいんでしょ!?」


 なぜ土下座するし。

 そこ土の上ですけど。


「まぁいいや。投擲の腕前たってあれよ、数をこなすのが一番。サオンはまぁ、すごすぎるから比べてもねぇ。私くらいになら練習すればいけるけど」


「練習……」

「ダーツでもスキル上がるんだけど、ダーツ倶楽部来てみる?」

「ダーツ倶楽部なんて聞いたことないけど」

「私とユーリー様しかいないからね。あ、ユーリー様にはハンターやってることは秘密だから、絶対に言わないでね」

「へぇ?」


 アカネがにやりと唇の端を釣り上げた。だがしかしだ。


「言っとくけど、ばらしたら全力でコジローにアンタの悪行ばらすから」

「悪行って何よ!?」

「勝手にライバル認定して果たし状送ってるとか。つまりアンタがコジローのこと好きなのバレちゃうわね」


 つかあれでバレてないことの方がすごいよね。あれか、噂の鈍感系主人公ってやつ……! いやどっちかっていうとコジローには朴念仁の方が似合うな。

 

「今日はないから今度倶楽部があるときに声掛けるわ」

「これで……コジロー様に……」


 妄想モードに入ったアカネを置いて、武器愛好倶楽部に行くことにした。そういえばこっちにこそアカネも入ればいいのに、何で入らないんだろう。



 武器愛好倶楽部ではハンマーの訓練を開始した。200を超えるまではハンマー一本だ。コジローがちょっと残念そうで申し訳ない。ごめん。


「軽いの買ったんだね」

「はい。重すぎるとそもそも持てないですからね。カイ先輩はハンマーは?」

「やってないねぇ。ハンマーならヨゼフかな。今日は来てないけど」

「とりあえず自主練で頑張ってみます」


 先輩たち、私が軽業使った時ひいてたしなぁ。

 とりあえずスキルがあるしね。素振りだけでも結構上がるから、行き詰るまでは自主練でいいや。そういえばハンマーが上達すれば鍛冶にも補正が……! と夢見てたけど、全然関係ないらしい。残念。


「刀はもう使わないの?」

「そうですねー。全部の武器をそこそこ使えるようにして、変形武器を手に入れたらまた使います」

「変形武器?」

「はい。変形武器です。武器の種類を自由に変形させて戦うんです浪漫です」

「それは……うん、がんばってね」


 私は本気だ。





 

 翌日の魔法基礎実技が始まる前、席で待機している私の前にメリルが座った。振り向いて私をじっと見ている。相変わらずの無表情で何を考えているのかわからない。振り向いたまま無言で三分。私にどうしろと。


「エフィムと北方に行った?」


 ようやく口を開いたかと思えば……。これはもしやライバル認定か?

 本来ならヒロインちゃんがエフィムと一定以上仲良くなった場合にメリルにライバル認定されるのだ。あのー私、エフィムと仲良くなったつもりはこれっぽっちもありませんが!


「魔動車の操縦、したかった……」

「そっちかよ!」


 おっと思わず声に出してしまった。

 スケッチがうわぁ……って顔してる。こっち見んな。

 ライバル認定じゃなくて良かったけど、何だかなぁ。そもそもメリルはエフィムのこと本当に好きなのか? 全然そんな風に見えないんだけど。


「魔動車はレンタルがあるから、借りてみたらいかがでしょう?」

「教えて、くれる?」


 メリルが期待に満ちた目で私を見上げる。くっ……なんだその上目使いは!


「……はい」


 スケッチがまたもうわぁ……って顔してるけど、自分だってエフィムに勝てなかったくせに!エフィムよりメリルの方が強い(かわいい)んだから勝てるわけないだろ!

 

「いい考えじゃないか! ここにいる面々で魔動車ドライブと洒落込もう!」

「お前も来るのかよ!」


 おっと思わず……。もうこれ良くない? いまさらどう繕えと。スケッチの顔面が悲愴だけど、何で私のミスにそんな反応なの? スケッチには害はないぞ? たぶん。いやあるか、またエフィムとドライブだもんね。


「はっはっは! まぁいいじゃないか! 基礎魔法の練習がてら、なんていいんじゃないかな?」

「はぁ……案自体はいいとして、レンタル代ってけっこうするし」

「そうだねぇ……ここはやはり狩りもセットにしよう!」


 さらに面倒な展開に!?


「費用は私とメリル嬢で持とう! 君たち二人は護衛と操縦操作の教授役だからね! せっかくだから狩りの仕方も教えて欲しいな!」


 費用がいらないならまぁいいか。メリルはともかくエフィムは狩りをしたことないの?

 エフィムの独断でどんどん話が決まっていく。スケッチはもう諦めて項垂れている。


「いつにしようか? どうせなら魔法基礎をもう少しものにしてから行きたいね!」

「それじゃ早くものにするためにも、講義始めていいかな?」


 ソフォス講師の笑顔が怖かった。




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