表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
53/110

基礎魔法は、楽しい

 



 スキルを設定せずに魔法を使えて便利なもの。かつ初期に覚えることの出来る、難易度の低いもの。

 四人はそれぞれその魔法を一つ選び、それをひたすら練習する。

 消臭とか洗浄とか乾燥とか、普段要らないけどあると便利なものがいいかな。 それか補助魔法もいいよね。特にスケッチは火の補助魔法があれば火魔法をスキルに設定しなくてよくなるし。

 他にも試してみたい魔法があるのでソフォス講師に質問してみた。魔法に分類されないかもしれないけど、魔力自体を放出するものだ。

 魔法は魔力を水や火に変換するものだと言われてるけど、それを変換せずに出した方が面倒じゃない気がする。魔法書にそういう魔法は見当たらなかったけど可能だろうか。


「魔力そのものは目に見えないので、難しいと思います」


 とのこと。残念だ。


「魔力を直接当てて攻撃というのは、目に見えないという意味で風魔法に分類されるのではないでしょうか」


 うーん。イメージとしては拳に魔力を纏って殴る! みたいな感じだったんだけど。風圧ってことか。重力魔法とかいいと思うんだけど、ないの?


「ですがもし、魔力を目視出来るようになったり、スキルにない魔法を使えるようになれば何らかの応用が効くかもしれませんね」

「セリカは面白いことを考えるな! 私もぜひ研究してみたい!」


 ご自由にどうぞ。


「わたしも、研究」


 よし、一緒に研究しよう。

 思いついたことを色々発言して駄目だしされつつフォローされつつ。他の魔法実技と違って自由度が高くて楽しい。

 これで順調に使えるようになればもっと楽しいんだけど。さすがに難易度高いと言われるだけある。セリカの高スペックを以てしても難しい。魔法の練習で汗かいたの初めてだ。




 そのまま放課後となり、スケッチとカフェテリアでお茶することになった。

 オネエに頼まれたローブを渡すのと、魔法実技が始まって一週間経つので、その辺りの調整も兼ねて。ついでに明日の迷宮に備えてスキルの設定を変えておく。


「んんんー……? 魔法、思ったより上がってないね……」

「う……剣術も取ってるし、仕方ないよ……」

「え?」

「え?」


 魔法のスキルと攻撃系のスキルの相性が良くないことは知っていた。が、まさかここまでとは……!

 セリカが元々ハイスペックだったせいなのか、私の魔法スキルは剣術や刀術のスキルの影響をあまり受けていない気がするのだ。そのせいで、スケッチのパラメータの伸びが悪く感じてしまう。というか悪い。


「こればっかりは個人差もあるし……さすがにセリカさんのようにはいかないよ」

「じゃあなおさら杖術の方がいいってこと?」


 杖術は魔法スキルの邪魔をしない。効率が良いはずなのに、杖術を選ぶ人って少ないよね。騎士志望が多いから仕方ないのか。むしろ騎士にも杖術取り入れればいいのに。


「やっぱ奥の手使っちゃうかぁ」


 必殺、自由設定チート

 卑怯な手と言えばその通りなのだが、私は別に卑怯なのが嫌だと思ってないし。使えるもんは何でも使いたい。平等でないと、というような考えも端から持ってない。

 問題は、それをスケッチが受け入れてくれるかってことだよね。


「講義前にスキルの設定変えるってどう?」

「え……」


 無条件に賛成、って顔ではないな。

 

「狡いって思うかもしれないけど、正直ね。スケッチの場合、手段選んでる場合じゃないと思うんだよね。きついこと言うけど」


 オネエも薙刀と魔法スキルと両方設定してるけど、スケッチより伸びが良い。これは魔法の適性ではなくて、スケッチの剣術の才能のなさのせいだと思う。残酷なようだが、それが現実だ。受け入れろ。受け入れて前に進むんだ!


「狡い手使うくらいなら騎士諦める、っていうならそれはそれでいいけどね」

  

 でも狡いったって教会に行けば皆変えられるわけでさ。あんまり気にしなくていいと思うんだよね。ただの節約っていうか。

 まぁ結局選ぶのはスケッチ本人なんだけど。

 せっかく協力して目標達成出来ないっていうの嫌だけど。やる気ないなら協力打ち切りって言ったらさすがに駄目かな。


「騎士は諦めない。けど、自分の力だけで頑張りたいって言ったら、どう……思う?」


 そもそも私たちが協力している時点で自分の力だけとは言い難い気もする。かなり優遇してると思うんだよね。まぁいいけど。本人の気分次第か。


「んー? 正直剣術スキル捨てない限りEランクになれる可能性、ゼロに近いと思うよ。週末に増えたはずのパラメータ、剣術一回で魔法スキルがどんだけ減ってるかわかってる? 二回受けたら今の倍減るんだよ?」


 どんだけ剣術と相性悪いんだっていうね。


「だからせめて、一年の間だけでもさ。二年になれば杖術に移動すればいいし」

「やっぱり、無謀だよね……」

「そうね」


 慰めてやりたいが、慰められないよね。ごめんね。私だって一欠けらの優しさくらい持ってるよ。持ってるけどどうにもならないことって、あるよね。


 意気消沈したスケッチを促して、カフェテリアから出る。明日は迷宮だし、ゆっくり休んで頑張れよ。

 

「あれ……」


 私とスケッチがいたテーブルからは死角になる位置に、ユーリー様がいた。しかも女連れ。ユーリー様が女連れ!!

 思わず二度見した。


「どうしたの?」

「ユーリー様がいる……!」


 女連れ。

 今まで異性と話しているところを一度たりとも見たことがなかったユーリー様が、女連れ。しかも、相手が。


「ヒロインちゃん……!」

「ヒロインちゃん?」


 うわぁ……。

 これってどういう状況なんだろう。

 ヒロインちゃんユーリー様ルート? いやいやゲームでカフェテリアイベントはなかったな……。でもゲーム通りのシナリオなわけじゃないしね。

 うーん……まぁ、ヒロインちゃんがユーリー様落としても、私に損はない。というか、どっちかっていうと益にしかならないよね。ハンターとして生きやすくなるという意味で。私の罪悪感もなくなるわけで……。


「まぁしばらく様子見かな」


 ユーリー様ルート確定じゃないしね。

 いやしかし……。


「ユーリー様、女の子と二人とか……成長したなぁ……」


 パーティで二人にされたときもほぼ無言だったユーリー様が、女の子と一緒にカフェテリア。表情からして会話はあんまり弾んでなさそうだけど。それでも大したものだ。


「……ユーリー様って、セリカさんの婚約者じゃなかったっけ……」


 なんかスケッチに変な目で見られた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ