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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

泣いた道化師

作者: 白ぴく

人生は人に合わせることでうまくいく。


すべてがそう。



あの子が頷けば私も頷く。


いつのまにか、周りに合わせることが普通になっていた。



本音を言えば

私の安定した世界が崩れる気がしたから

ただ笑う、それが私。


ただ笑えば時間は過ぎて

話は勝手に進んでいく。




生きるってなんだろう。

楽しいってなんだろう。

友達ってなんだろう。



そんなことを考え始めた16歳の冬。





笑っているけど頭は空っぽ。


私はあたしは一人の人間のはずだけれど

道化師のようにしか笑うことができない。







道化師になった私はいつしか周りから

「悩みのない人間」にされてしまったよ。


おかしいな

道化師なら、悩みのない人間なら

涙なんかでないはずなのに。


本当におかしいんだよ、

この気持ちに気づいてほしいとか思ったりするの。



わがままなのかな?



そう思ってまた笑う。



素直になりたいだけなのに。







だけどとうとう思いは心を蝕んで

偽りの姿から解放されたくて

道路に飛び出した。




車のライトがまぶしかった。


生きてるって思えた。


ただその「生きてる」は

自分が生きているのではなく

鼓動が生きていることを証明しているにすぎなかった。







本当はあなたにみせたかった涙






本当は言いたかった「辛いよ」って言葉。






道化師は普通の女の子になりたかったの。






道化師は初めて笑うことはなかった。



無表情の顔は冷たくなり、周りを悲しませた。





笑う道化師は、悲しませる道化師になって

心の中で呟いた。







今度は自分らしく皆を笑わせたいな。




不器用でごめんね。







さようなら自分




さようなら道化師





次生まれたら

私はうまく笑えるでしょうか?




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