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魔女の放浪  作者: 晦朔
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水平線

 黒い髪に黒い目は、王都では珍しかった。有能な魔術士で、しかも魔導師ともなれば、尚更だった。彼は妹と二人、常に奇異の視線に曝されていた。

 それは、帰らざる過去。帰りたくもない。

 今や、片や王都で召し使いにかしずかれ、きらびやかで不自由無い生活を送り、片や王都から遠く離れた洋上で、真新しい汽船に揺られ、死地に向かっている。

 そのはずだ。それでいい。

 彼は一人、狭くはない船室の中で微睡んでいた。14式汽船発動機の発する振動は、僅かではあったが、彼の元にも届いていた。それが、彼の微睡みを誘っていた。

 汽船の船室には、実は軍用のものであっても狭いものはない。だがそれは、別に居住性に気を配っているわけではない。設計上、やむを得ないだけだ。

 つまり、蒸気機関がかさ張る上に非常に重いため、それを搭載するには浮力確保のために、大きく、そしてなるべく軽く造らなくてはならない。その為、船は大きく、壁は少なくなる。強度の確保は最低限。とにかく、そうしなければ浮かないか、進まないかのどちらかになる。

 もっともそれにしたところで、部屋を占有出来る者は限られる。連絡船であれば、王候貴族か、それに匹敵する財力を持つ豪商。軍用船であれば、少なくとも大隊以上の指揮権を持っているか、或いは戦略的に重要な立場にいる人物。

 彼は、その両方だった。

 肩書きは丙種特級魔導師。

 兵種は先行遊撃魔導兵。

 所属は王室近衛。

 身分は士爵。

 その任務は、単独での偵察、撹乱、及び殲滅。攻勢にあっては先陣を切って敵域に侵入、後続の為の威力偵察、場合によっては殲滅を行い、守勢にあっても同様、撹乱、或いは殲滅を行う。

 ローレンシア軍司令部は、彼を満装備の三個中隊に匹敵する戦力と見なしている。或いはそれ以上。少なくとも、正面から彼の防壁を破れる火砲は存在しない。

 もっとも、任務はそれに見合った過酷さとなる。

 彼の任務は、単独での偵察、撹乱、及び殲滅。それは、上級以上の魔導師にとってでなければ、愚行以外の何物でもない。

 己の意のままに魔法を用いる者にのみ与えられた、特権的な戦い方だ。地を奔り、空を駆け、強固な守壁の内から一方的に叩くということが出来る者にのみ許されるものだ。

 不意に、船室の扉が叩かれた。彼は微睡みから目覚め、来訪者を迎え入れた。

 部屋に入ってきたのは、まだ若い――彼と同じ年頃の下士官だった。

 下士官は散々叩き込まれたのであろう、見事な型通りの敬礼をすると、必要よりもかなり大きい声で言った。

「フォン・ローゼンバーグ卿、艦隊司令がお呼びです。至急、艦橋までお越し下さい」

「分かった」

 部屋から出るよう、彼――アドルフ・フォン・ローゼンバーグは手を振ったが、下士官は動こうとはしなかった。

「ご案内するよう、仰せつかっています」

 アドルフは下士官を一瞥すると、ゆっくりと立ち上がった。

 掛けられたローブを纏うと、アドルフは黒一色に染められていた。ローブから覗くブーツやグローブも、全てが黒かった。

 日の当たらぬ物陰が形を成したような姿の中で、彼の顔だけが白く浮き出ていた。その白さは骨のように、その瞳は眼窩のように。

 下士官は、言葉を失っていた。

「どうした?」

「いえ、何でもありません。こちらです」

 下士官はアドルフを導いて歩き始めた。

 確かに、汽船は巨大だ。内部は似たような通路が続いている。初めて来た人間なら、まず迷う。

 しかし、構造は極めて単純で、道を覚えるのにはさほど苦労しない。加えて、アドルフはこの汽船に乗り込んで既に二十日経つ。流石に船内で迷子になることは無い。

 それは、アドルフに限ったことではない。そもそも迷子になる兵がいる筈も無い。

 だがおかしなことに、アドルフは迷子を見つけていた。

 女性だ。けして大柄な身体つきではない。線は細く、顔立ちも整っている。これから戦争に向かう汽船の中にいるよりも、王都の劇場で舞台に立っている方が数段様になるというものだ。

 もしも彼女が一度舞えば、金色の髪は砂金の風のように、白くたおやかな手足は舞い散る花弁のように、見るもの全てを虜にすることだろう。

 だが、彼女が背負っている大剣は重装の騎兵を馬ごと断ち割ってしまえるような代物だ。とにかく武骨で、刃物というよりは鈍器。その重量は、想像するに難くない。本来、女性が背負うようなものではないどころか、大の男が数人がかりで抱える程のものだ。

 間違っても、薄紅色に染められた丈長のワンピースを着た女性が背負うようなものではない。

 アドルフは彼女を知っていた。数少ない知人の一人だ。前に一度会ったきりだったが、それは彼に鮮烈な印象を与えていた。

「ベアトリクス!」

 アドルフは立ち止まり、女に声をかけた。下士官は僅かに不機嫌そうに顔を歪め、腕時計を確認した。

 女はアドルフを見るや破顔し、駆け寄ってきた。背中の重量物を無視した動作は、彼女が一流以上の魔術士であることを暗に示すものだ。

 駆け寄り、止まらず、女はアドルフに抱きついた。流れるような金髪と、ほのかな甘い香りがアドルフを包み込んだ。

 そして、彼が女と大剣が持つ慣性を支えきれる道理は無かった。アドルフは背後の壁に叩き付けられた。その衝撃は船内にけたたましく広がり、壁は深くへこんでいた。

「……ベアトリクス。まずその剣を持ち歩くな。やむを得ず持ち歩くなら、慣性制御を怠るな」

 アドルフは苦しげな声でそう言ったが、彼女の耳には入っていないようだった。

 彼女は嬉しそうに、アドルフの身体に頭を擦り付けていた。

「狼ちゃん久しぶりー」

「ああ、久しぶりだな」

 ベアトリクスを額を押して引き剥がすと、顔をひきつらせている下士官の姿が、アドルフの目についた。

「……その方は?」

「ベアトリクス・フォン・ブリュンベルグ。アストリア基地の英雄だ――これでもな」

「はっ!」

 下士官は慌てて敬礼した。だが、顔には困惑が色濃く浮かんでいた。

 無理もない。ベアトリクス・フォン・ブリュンベルグ――或いは赤風しゃっぷうのベアトリクス――と言えば、押しも押されもせぬ大英雄。基地を包囲する八千の魔物の中に単騎斬り込み、その半数を血祭りにあげたという剛の者。得物が大剣であるということからも、実物を見たことがない人間は、男と見間違うような筋骨隆々の大女を想像するだろう。

 それが、だ。

 正体は舞台女優のような、華奢な娘。しかも、今はアドルフに頭を押さえられながら、子供のように両腕を振り回している。信じられないのも当然だ。

「下士官」

「はっ」

「頭が弱いのと幼いのは見た目だけだ。あまり見下すと痛い目に会うぞ」

「はっ? 自分は見下してなど」

 ベアトリクスが割り込む。

「ちょっと、狼ちゃん。私、そんなに根に持たないよ」

「そんなに、な」

 アドルフはひらりと身をかわすと、ベアトリクスは頭から壁に突っ込んでいった。再び、船内に衝撃が走った。

「うぅ……」

「自業自得だ。馬鹿者」

「馬鹿じゃないもん!」

 涙目で訴えるベアトリクスを置いて、アドルフは先に進みだした。

 下士官はアドルフに小声で尋ねた。

「閣下、あの方は、本物なのですか?」

「俺を疑うのか?」

「いえ、滅相もございません」

 それから、数分。先行する下士官は振り返り、口を開いた。

「あの方を置いてきて宜しかったのですか?」

 アドルフが立ち止まり、次いで、下士官が立ち止まった。

「後ろ、向いてみろ」

「はっ?」

「後ろだ」

 言われ、下士官は振り返った。当然、あるのは通路だけだ。

 再び下士官はアドルフの方を向いた。

 その時だ。

「ばぁ!」

「うわぁ!」

 下士官は思わず尻餅を着いた。アドルフの横に、いつの間にかベアトリクスが現れていたのだ。

「キミ、面白いね」

「いつの間に?」

「ずっと後ろにいたぞ。気配を消していたのは悪趣味としか言いようがないが」

 誉めていないはずの口調だが、ベアトリクスは嬉しそうに笑っていた。

「その後で、下士官、お前の死角を回って俺の横に出た」

 アドルフは下士官に手を貸した。

「信じるようになったか? あいつは本物だ」

「最初から閣下を疑ってなんかいませんよ」

 それから艦橋までは、数分もかからなかった。

 艦橋の設備は少ない。船体に合わせて縦長で、観測員のための僅かなスペースが全周に広がり、やや前方よりに操舵輪、その後方に艦長席がある。そこには簡単な会議のためのスペースも附随していた。

 今、艦長席には艦隊司令が座っていた。髪と髭には白いものが目立つが、長年船乗りとして培ったらしい気迫は、未だに灰色の目の奥に秘められている。

 横に立っているのは艦長だ。金色の髪を短く刈り込み、切れ長の双眸に猛禽のような鋭さを湛えている。

 その二人とも、アドルフ達を目にするなり溜め息をついた。

「どうやら、魔術士殿はここがどこだかご存知ないらしい」

 開口一番、船長が唸った。

「海の上?」

 ベアトリクスが首を傾げた。

「戦場だ!」

 咆哮。

「戦場では上官の命令は絶対だ!」

「……艦長殿は、我々がどこの所属かご存知か?」

 アドルフが割って入った。

「我々は王室近衛の所属だ。加えて、我々が受けた命令は『艦隊に随行し、必要に応じて協力すること』であって、あなた方に従うことではない。畢竟(ひっきょう)、あなた方に命令される筋合いは無い」

「だが、それでは作戦に支障をきたす」

「無論、可能な限りで協力は惜しまないつもりだ」

「ならば!」

「我々は王室近衛。即ち、我々に命令しうるのは王室のみ。貴官の言葉は王室に対する越権行為。背信の罪に問われることを覚悟の上か?」

 もはや、艦長に出きることは射殺さんばかりの目でアドルフを睨むことだけだった。

 背信の罪に問われれば、罰せられるは本人のみならず、一族郎党の全てである。その軽重に老若男女の区別は無く、良くて一年以上の投獄、悪くすれば死罪も有り得る。

「もういいだろう、ゲアノート」

 艦隊司令のその一言で、艦長は目を伏せた。

「フォン・ローゼンバーグ卿、許してやってくれ。ゲアノートも兵を思えばこその言葉。それを一つ取って背信の罪に問うと言うのは、少々酷ではないか?」

「フォン・トラップ卿、私は警告したに過ぎない。当事者はフォン・ブリュンベルグ卿であり、糾弾は近衛の士官がやることだ」

「では、フォン・ブリュンベルグ卿?」

「私は、気にしてませんよ? 訴えるつもりもありませんし」

 ベアトリクスは、その細面に人を食ったような笑みを浮かべた。

「それに、今だと悪いのは私達ですからね。呼んだのは三人なんでしょう? ゲアノート・グリム艦長に、マルセル・フォン・トラップ艦隊司令?」

 艦長と艦隊司令には、その笑みはゾッとするものだったに違いない。まるで心の内を読まれたようだっただろう。彼らの表情が、それを物語っていた。

 もっとも、冷静であれば不思議なことはない。魔術士の類であれば、船内にどれだけの力を持った魔術士がどれだけの数いるかということは、直ぐに分かる。艦橋のメンバーとそれとを付き合わせれば、不合理は一目瞭然。艦長と艦隊司令の名など、むしろ把握していない方がおかしい。

 当たり前に知れることしか言っていないベアトリクスに、艦長と艦隊司令が畏れを抱いたのは、ひとえに彼女の作った雰囲気に呑まれたからに他ならない。彼女の表情と、語り口に。

 彼女程、舞台に立つに相応しい人間はそうそういないだろう。

「フォン・ブリュンベルグ卿、あまり虐めてやるな」

 知れず、張り詰めていた空気に、アドルフが風穴を開けた。

 ベアトリクスは先までの雰囲気を打ち捨てて、童子のような邪気の無い笑みを浮かべた。

「フォン・トラップ卿、ヘル・グリム、もう一人がこの場に現れないのは、おそらく彼の傲慢故だろう。私が後で礼節を叩き込む。許してやってくれ」

 そして、再び沈黙。

「分かった。これで手打ちとしよう」

 艦隊司令はやっとのことで口を開いた。

「しかし、どうにも話が逸れてしまったな」

「要らぬ説教を始めたのはそちらであろう。して、我々を呼んだ理由とは?」

「あれだ」

 艦隊司令は艦の進行方向を指差した。

 観測員を越え、艦橋を越え、舳先を越え、あるのは茫洋とした海。大陸が見えるようになるまでは今暫くかかる。しかし、その水平線は泡立つように揺れていた。

「水平線の魔物か」

「いかにも」

 艦隊司令が頷いた。

「あれを始末して欲しい」

「不可解だな」

「同感ですね」

 艦隊司令が鼻白む。

「出来ないのかね?」

「可能だが、コストに見合った戦果が上がるとは思えない」

「コスト?」

「リスクと言った方が正確だった。訂正しよう。可能だが、リスクに見合った戦果が上がるとは思えない」

「だから、それはどういう意味なのだね?」

 艦隊司令が声を荒げた。

 アドルフは睨んだ。

「どうやら、フォン・トラップ卿は魔術というものを理解していないらしいな」

 露骨な溜め息が漏れた。

「お教えしよう、フォン・トラップ卿。魔術とは、望めば即ち叶うものではないのだ。我々のような魔術士は、魔術の行使にある種の代償を必要とする。まあ、気力、精神力、そんなものだとでも思って頂ければ、あなた方では上出来だろう」

 艦長はせせら笑った。

「ならば、水兵達は皆、卿など足下にも及ばぬほどの使い手だな」

「魂だと言う者もいる。実際のところは、誰にも分からん」

 全く意に介さず、アドルフは続けた。

「だが、実際問題、身の程を弁えぬ魔術士が廃人となった例は枚挙に暇が無い。我々とて、限界を超えればそうなることは目に見えている。あなた方が知るべきなのは、我々といえど行使出来る魔術には限界があるということだ」

 アドルフが水平線の先を指す。

「あそこまで届く魔術、私には行使出来る。だが、問題はその後、私は暫く戦線には参加出来なくなるということだ」

「フォン・ローゼンバーグ卿、お言葉だが、水兵は自らの艦を護れぬほどは、臆病でも弱くもないぞ」

 アドルフはせせら笑った。

「ならば、良いだろう。ヘル・グリムご自慢の水兵の働き、存分に堪能させてもらおう」

「フォン・ローゼンバーグ卿」

 声をかけたベアトリクスを、アドルフは差し止めた。

「問題無い、と言いたいところだがな。その時は頼むぞ、フォン・ブリュンベルグ卿」

 ベアトリクスが頷くのを見て、アドルフは船の先に向けて手を翳した。

 そして、舳先の前に炎が生まれた。艦橋からは小粒の炎にも見えるが、実際には小隊一つを呑み込んで余りある大きさだ。

 それを基点に、炎の線が縦横に広がり、分かれ、形を成し始めた。進むほどに炎は細く、しかし形は失わず、その果てに、一つの陣が光によって現れた。

 魔術を志し、戦場に立たんとする者ならば誰もが知る、憧れる、それはそんなものの一つ。

 一際強い光が放たれ、陣の中央から炎が迸った。見るものが見ればそれと知れる、鮮やかな橙色の炎。それが竜の成りをしていることを、艦隊に乗る者の幾らが気付いただろう。

 炎の竜はその身をくねらせながら、空を切り裂いていった。形を歪ませ、まるで溶けていくように身体を失いながらも、炎の竜は突き進んだ。

 そして、翼をはためかせる数多の魔物を捉えた時、炎の竜は砕け散った。砕けた身体は矢の如くして広がり、魔物を貫いていった。運の良い魔物は炎の矢をかわしたが、その矢は軌道を変え、別の魔物を貫いた。

 遂に炎の矢の全てが姿を消した時、二百余の魔物がその身を消し炭に変え、波頭の中へ消えていった。

 だが、魔物はその数を減じたようには見えなかった。それを最も強く感じたのは、他ならぬ術者のアドルフであった。

「焼け石に水もいいところだな」

 舌打ちし、アドルフは膝を着いた。途端に息が乱れ、脂汗が吹き出した。目は大きく見開かれ、机を掴んでいない左手は胸をかきむしるようにして押さえていた。

 ベアトリクスを除く艦橋の全員が、目前で起こった大魔術に次いで、不遜な態度を取り続けたアドルフが急に苦しみ始めたことで、驚きを隠せなかった。

 いち早く我に返ったのは、ベアトリクスに冷たく睨まれた艦長だった。

「総員、襟を正し、職務を全うせよ。リュディガー君、彼を医務室へ」

 急に声をかけられた下士官は、驚く間もなく敬礼、復唱し、アドルフに肩を貸して艦橋から降りていった。

 艦橋は静まり返っていた。だが、それは今までが喧騒に満ちていたという意味ではない。むしろ、全ての業務が無駄無く粛々と進められていた。

 ただ、今の艦橋では、わざわざ音を立てようとする者は誰もいなかった。足音は忍ばれ、口頭での連絡すら息をこぼすような声で行われた。艦橋にはただ、巨大な蒸気機関が立てる振動と、舳先が波頭を割る音とが伝わるだけだった。

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