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☘ 38. ◇欲望に忠実に 生きる夫  

2025.12.27 【おしらせ】

皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。

以前より、noteで近況やら電子書籍配信・GNでの掲載などを

発信しています。今回新しく連載をはじめました。

マイページから飛べますので、お時間のある時に覗いて見て

いただけますよう、よろしくお願い致します。

https://mypage.syosetu.com/mypage/profile/userid/908509/

38. ◇欲望に忠実に 生きる夫


 あんなに私を好きだアイシテルと言ってた英。


 付き合って7年結婚して4年、求愛された日から11年目に

彼は心変わりしてしまった。


 ……じゃなかった正確には10年目に心変わりをし、私をこよなく愛して

くれたやさしくて唯一無二の夫は、この世から……私の前から……

居なくなってしまったのだ。


 私にいろいろと彼らの情報を教えてくれた先輩や後輩たちからは『甘い、

手ぬるい、あいつらふたりに天誅を喰らわしてやれ』とヤイノヤイノ言われた。


 けれど、仕事もあり多少の小金もあって実家もそれなりに裕福なので、

そういった意味での心配がないのが救いだ。


 子供というお宝を持っている私と、景子ひとりを天秤に賭けられ、負けた

私が唯一守れるプライド、それは彼のお金をビタ一文受け取らないことだった。


 糟糠の妻とは言わないけれど、共に医師になるという同じ志を持ち、

共に学んだ6年。



 寝食を共にして4年余り、そんな妻を……私を……息子共々、夫としての

責任も父親という責任も、簡単に捨てて自分の欲望に忠実に生きる道を選んだ夫。



38-2.


 泣いて縋って脅しても、英は景子の元へ行くと言うだろう。


 そういう英の気持ちが嫌というほど透けて見えたから、私はそういう全ての行動をやめた。


 ただ、それだけのこと。


 物分かりのいい人間でもドライな人間でも、ましてや、かっこいい人間でもない。


 人間時には諦めも肝心なのだ。

 私は自分にそう言い聞かせ、宥めた。


 

 私が離婚を了承した時、夫はすまないと辛そうな顔をしていた。

 ……だけど、胸の内では万歳三唱していたに違いない。


 だって、彼のその時の様子を見ていたら、彼の身体とそこから溢れ出る

オーラが、喜びに満ちていた。


 せめてそういうの、隠してほしかったな。


 私たちの元から去るというのに、とてもうれしそうな夫。



 『さよなら』


 私はさまざまな郷愁と感慨を胸に、彼とお別れをした。



「ほんとに自分の勝手で君と息子に迷惑かけてすまない」


「いいよ、人の心を変えることはできないもの」




 

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