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2話

産業革命と呼ぶのは長いので、数日前テレビで見た『アベル』という名前で呼ぶことにした。

曰くアベルは、その歴史改変者とやらに立ち向かうにあたって指示を出す指揮官を探していたとのこと。

で、何で私なのかというと、前に歴史の勉強をしていたのを見て、まだ子供なのに歴史に興味あるなんて、と感心したから、、、、らしい。

(テスト勉強していただけなんだけど、、、、?)

それにまだ子供って、アベルから見たらこの世界に生きている人全員、子供だと思う。


翌日、アベルに指示された場所に向かった。

人道りの少ない小道を抜け、こじんまりしたところにそれはあった。

少し大きな西洋を思わせるレンガ造りのお屋敷。

立派なアーチをくぐり、色々な花が咲き誇る壮大な庭を抜け、大きな扉を開けるとエントランスに入ると、アベルが出てきた。

「ようこそ、俺達の拠点へ」

アベルの隣にいた男性は私を見るなり駆け寄ってきた。

軽くウェーブのかかった金髪に紫眼の、着崩した薄い茶色のシャツにゆったりした紺色のズボンの男性。この人も世界史の化身の人なんだろうか?

「あぁ、可憐なお嬢さん。なんて美しい!是非私の恋人に―――」

「口説くな!百年戦争!!」

アベルは何処から取り出したのか分からない身長と同じ大きさのモンキーレンチで、百年戦争と呼んだ人をぶん殴る。

「ぐぇ」

ガンッ。

普段生活していたら絶対に鳴らないであろう鈍い音を出して、百年戦争さんはその場に倒れた。

「ひでぇな。もう少し年上を敬えよ〜」

後頭部を抑えて立ち上がる。

「すまんな、三秒に一回はナンパする奴だから気にしないでくれ」

「三秒に、、、、?」

あれ、、、?百年戦争ってそんな話だっけ?

「確かイングランドとフランスの間で起こった権力争いじゃなかったっけ、、、、?」

「百年戦争は有名なイングランドとフランスの権力抗争以外にも羊やフランス国内の王位継承争い、宗主権対立などを背景にして起こったんだ。俺に興味持ってくれているなんてお兄さん嬉しいな〜」


それから、歴史改変者のことを聞いた。

歴史改変者は歴史書を侵食し、その歴史をなかったことにする。理由は不明。

侵食された本に入り、歴史改変者を倒せば改変されずに済む、、、、らしい。

「もしかしたら理由なんてないのかもしれないな、、、、」

アベルは顎に手を置いて考える。

「もしそうだとしたら、厄介だけどね」

そして百年戦争さんは、かの有名な人の名前を借りて『ガブ』と呼ぶことにした。

指揮官室と呼ばれた部屋に案内され、色々説明も受けた。

六畳程の部屋には、執務机と本棚が申し訳程度に置いてある。壁には世界地図が貼り付けられている。

執務机には大きな日溜りが出来ていて暖かそうだ。

ペン立てには、今の時代珍しい羽ペンや新品のインクに万年筆や数本のボールペンが立てられている。幅広い、、、、!

「此処が指揮官室、君の部屋だ」

「お嬢さん、名前を聞いても?」

「えっと、私は宇野真奈です。一応高校一年です」

「へぇ〜!高校生か!!よろしく、真奈ちゃん」

「よろしくな、真奈」

「、、、、はい!!」

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