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転生した王妃は親バカでした  作者: ぶるもあきら
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今更ですか?


エリーゼとパウロが最北の地へ旅立ったと聞いたのはそれから2、3日後の事だった。


恵里奈は働く事が嫌いな子だったからなー

とか、パウロももういい歳なのに重労働かぁー

とも思ったが父親じゃなくパウロなのだからまだ若いのかと思い直したり、とにかく情緒不安定であった事は認める。


そんな時、レオが満面の笑みで王妃宮までやって来た。



「バッサー!やっと約束の品が手に入ったよー!?」



約束?

なにかしてたかしら?


そう言って使用人に運ばせてきた物を見て私は狂喜するのだった。


そう、米!おこめちゃんじゃなーい!


そもそもはオスカーの母乳の為に欲しかったのだけど、現状ほぼ卒乳しているし今更感は否めないがそれでもお米よ!


ジャパニーズソウルフード!血が騒ぐのは仕方ない。


あまりの嬉しさに



「きゃー!レオありがとうー」



と抱きつけば、まんざらでも無さそうにレオも笑うし、使用人や侍女もきゃーきゃー言って、皆そんなに米が恋しかったのね。


早速そのまま厨房に運んでもらって、ロニーと相談しながら炊きましょうと私も厨房へ向かう。


どうするどうする?

何作る?

炊飯器なんて便利な物は当然ないだろうから釜で炊くしか無いわよね。

上手く炊けるかしらー


と、相当なハイテンションで厨房へ飛び込んだ。


お米自体は日本の美味しくなるように改良された物に比べればそりゃ不恰好で欠けてたり色も真っ白ではなかったけど、1年以上も食べてないのよ、充分でしょ!


お米を測る計量カップなんかも無いから目分量を洗ってから釜に入れる。


問題は水分量だけどこれは主婦の知恵、平らなお米に手をついて、手の甲の関節くらいまで水が入ってれば丁度良かったはず。


それから30分くらいは水に浸しておかないとダメなのよね。


炊飯器で炊く時は別に浸さなくても美味しく出来るけど釜だと浸水は必須。


やっぱり炊飯器って優秀なのねと、文明の力を懐かしく思った。


浸水が終われば火にかけて炊くだけなんだけど、ロニーが何度も蓋を開けようとして止める、


はじめちょろちょろなかぱっぱ赤子泣いても蓋とるな。


って昔から言うでしょ。

料理人なら開けたくなる気持ちもわかるけどねー


そうしてワーワー騒ぎながらはじめて炊いたお米は…

やわらかかった…


まあ白米は失敗しちゃったけど、ロニーの作った美味しいコンソメスープで煮込んでリゾット風にしたよ。


これなら量も増えて使用人皆で食べれるし、塩分少なめのも作ればオスカーも食べれるからこれはこれでいいね。


早速この日の昼食にコンソメリゾットを皆で食べる事にした。


初めて見る食材のお米に始めは戸惑っているみたいだけど、レオがひと口食べて



「ん、うまい!」



と言えば恐る恐る皆口にする。

だけど最後は美味しかったって喜んでくれた!当然だけどねー


もちろんオスカーも完食。


ゲンも懐かしそうに目を細めて食べていた。


他にも色々な料理になるからと言えば皆楽しみにしてると言ってくれて私自身もすごく嬉しい気持ちになった。



なんか少し、ネガティブな気持ちになってたけどお米のおかげでテンション爆上がりだったな…


これも全部レオのおかげだと気がついた私はレオの耳元でもう一度



「ありがとう」



とお礼を言った。



レオも嬉しそうに微笑んで



「僕の愛しい妻が喜ぶのはやっぱり宝石より食べ物だったな」



と返された。



最近はすっかりレオのペースに巻き込まれている感があるが、そんな些細な会話にも夫婦ってこういう事なのかなとわかった気がして、温かい気持ちになったのだった。





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― 新着の感想 ―
[良い点] これで一区切りついたのかな? 悪縁の相手と、距離も取れて一安心。 あとは、そんな人もいたっけ?って思えるくらい、周りの優しい人たちと、新しいたくさんの幸せな記憶で上書きしてほしいな。 …
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