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転生した王妃は親バカでした  作者: ぶるもあきら
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おねーちゃんが悪いの(エリーゼside)



あたしはこの世界が

(国王と聖女は月夜に誓う)だとすぐに気がついたんだ。


だっておねーちゃんの書いた小説だと知って何回も読んだもん。


しかも自分がヒロインの聖女エリーゼだと気がついた時は本当に嬉しかった。


おねーちゃんの小説すらあたしの物になるって思ったから。


でもね、おかしいんだ…


両親が死ぬはずの大雨が大した事なく終わっちゃった。


ひとりになったエリーゼは教会に行くはずなのにこれじゃ行けないよね?


それから聖女になるには火事が起きるはずなのにそれも起きない。


本当なんなの?

バグかしら?


もう手っ取り早くレオっちと出会う辺境まで行って待ってようと思いついた。


そうすれば見逃す事も無いでしょ?


あたしはこっそりと家を出てグレイン領まで向かったんだ。


ここでまさるんと会えたのは驚いたけど本当ラッキーだったと思う。


たいしてお金も無いから泊まる所もご飯もどうしようかなと思ってたから。


グレイン邸に泊めてくれる事になったけどまさるんったらあたしに冷たいし、この世界で奥さんと子供がいたんだよ。


またあたしじゃなくて違う女を選んでたの。


ムカついたから良い事思いついたんだ



あたしこの小説の事めっちゃ詳しいのよ。


怪しい薬を売ってる所、知ってんだー


そこに行って色々買って来ちゃった。


毒薬と媚薬と…あとひとつ。


そしたらまさるん、何か勘づいたのか奥さんと子供をどっかに行かせちゃったのよねー


使う機会が無くなっちゃって残念。


でもやっと、待ちに待ったレオっちがやって来たのよ!

これでやっとあたしは聖女になってレオっちと愛し合うの。


って思ったのにまたバグよ…


おねーちゃんと元太がいるじゃん。

はあ?バネッサ?

ダーゲン?ああ、あの悪役護衛キャラね。


レオっちはあたしの事なんか全然見てないし、デブスのはずだったバネッサと仲良しだし、てかこのバネッサおねーちゃんにそっくりじゃん。


もういーよもうこの媚薬、レオっちに使って既成事実から作っちゃえ!


そう思ってレオっちの食事にこっそり混ぜたのにアッサリおねーちゃんに阻止された。


あー、わかった…

やっぱりこのバグは全部おねーちゃんの仕業だったんだ。



領地に行くって言うレオっちにおねだりしても連れて行ってももらえないし…

なんで?

ふたりで力を合わせないとダメなのにおねーちゃんのせいで予定通りに進まないんだ。


きっとこの後の地震も疫病も阻止するつもりなんだろう。


そんなの絶対許せないわ。


だってあたしがヒロインの小説なんだから。



レオっちとおねーちゃん達が出掛けてしばらくすると、この領地に久しぶりの雨が降ってきた。


あたしは馬鹿みたいに大喜びする領民を見ながら、お気楽なものねと呆れる。


これからもっと大変な事が起きるのにね…



この雨で地震が防げるのかはわからない。

でも、またおねーちゃんのせいで大した事なく終わる気がする。



だからあたしは買った三つ目の薬を使う事にしたんだ。


これさえ使えばさすがに疫病は防げないでしょ?


そうしたらあたしが聖女の力でみんなを治してあげるの。

領民達はあたしに涙を流しながら感謝して、崇めるはずよ。

レオっちはそんなあたしを見て好きになるはずでしょ?


そうやってでもストーリーを正しくしないといけないわ。


それもこれも全部おねーちゃんが悪いんだから。



バグは全部修正しないと…




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