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転生した王妃は親バカでした  作者: ぶるもあきら
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マザール=グレイン辺境伯



予定通りに1日でグレイン領に到着した私達4人は、謎の大きな鳥に乗ってくるという常識的には考えられない方法で入ったので、辺境領と言う土地柄もあってかなり警戒された。


しかし、国王と王妃だと気がつくと直ぐにグレイン家の当主で、レパール様の弟に当たられる、マザール=グレイン辺境伯の邸へと案内される。


グレイン領のみなさん、会ったこと無かったと思ったけど?


陛下はわかるだろうけど良く私が王妃だと気がついたわね?


ふと疑問に思って聞いてみると



「あ、あのオスカー王子と3人の姿絵をみな持ってますので…」



と、案内してくれているグレイン騎士団員が教えてくれた。


まあっ!

あのハガキサイズのヤツがこんな遠くまで出回っているのねっ!

私も欲しいのにっ!!


あまりにも人気商品で品薄だから私だって持ってないのよー


まぁ、アルタビジョンならあるけどね。



グレイン辺境伯の、邸は高台で頑丈そうな塀に囲まれた広大な場所だった。


ここなら大鳥のチルチルとミチル(勝手に名前を付けた)も安心して放し飼いが出来そうだ。




「我が太陽の国王陛下様と王妃様にご挨拶申し上げます」



私達が辺境領へ出向く事は先に知らせてはいたが、想定よりかなり早く到着した事で何処かに外出していたマザール辺境伯は慌てて邸に戻ってきた。


陛下と私の前で膝を折り挨拶するマザール辺境伯に根っからの日本人気質の私は少し申し訳無く思いながらも、初めて会ったその容姿に絶句する。



「嘘でしょ…」



明らかに顔色の悪くなった私に陛下もモーリスも心配してくれるが、大丈夫だと伝えながらゲンを見た。


ゲンに何も変わった様子は見られないから私だけなのだろうか?


そのまま応接間に通されて、グレイン領の現状を説明してもらう。


相変わらず雨が降らず、生活に必要な分も足りなくなって来ている事。


農作物の育ちも悪く、このままでは枯れてしまうと思われる事。


家畜や馬も元気が無く領地の見回りも時間が掛かるなどなど、想定内の話ではあったがマザール伯辺境伯のわざとらしいくらいの被害者っぷりに嫌悪感を感じる。



変わらないわね…



私は内心ため息をついた。



「しかもこの後、この領地に大地震が起こるのです」



マザール辺境伯のその言葉に私とゲンはギョッとする。



「なぜその様な事がわかるのだ?」



陛下が当然の質問をすると、



「その未来を知っていると言う女性をこの邸に保護しております」



未来を知っているですって?



「しかも自分は聖属性の聖女ですべてを解決出来ると申しております」



はあー?聖女ですって!!


これには陛下も驚いた様子で



「聖属性だと?我が国に聖女は100年は出ていないし、そんな報告は聞いていないぞ!」



ああ…

そうか…

災害で孤児にならなかった聖女は教会に保護されずに、ここグレイン辺境伯家に保護されていたのね。


道理でいくら教会を探しても見つからないはずだわ…



そしてやっぱりグレイン領でレオナルド陛下と聖女は出会う事になるんだ…



それはわかっていたはずの事なのに…


なぜか胸が痛くて呼吸が苦しくなった私は少し外の空気を吸いたいと断りを入れてテラスに出る。


その後ろにゲンがついて来てくれていたので陛下も何も言わなかった。



「聖女、ここにいたんだな…」



ゲンの言葉に私は言葉も無くただ頷く。



「真っ青だけど大丈夫?母さん?」



ゲンが心配して私の顔を覗き込んだ時、テラスのドアがガチャリと開いた。



「王妃様、風が冷たいでしょう。こちらをどうぞ」



マザール辺境伯、その人が薄手のショールを手に私に近づく。



「て言うか、あかりだな?」



反射的に一歩下がる私をゲンが支えてくれた。



「母さんって言ったか?護衛のお前はもしかして元太か?」



この言葉にはゲンも目を見開いて驚愕している。


やっぱりそうか…


こっちの世界で元太と初めて会った時、容姿は全然違うのにすぐに元太だとわかった。



さっきマザール辺境伯と会った時もそんな感じがしたんだ…




「マザール辺境伯、いや貴方(まさる)なのね…」





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― 新着の感想 ―
[一言] 関係者ほぼ転生物なら最初から知りたかった。 ここまでは面白かったです。
[一言] 元団…か。
[良い点] わー…そのポジションの転生者(予想)初めて見ました。親子で、もこのお作が初めてだったかな?しかも今姑の実家という縁切りづらいところに…現在転生前の主人公と同じ家族関係移行中なのでつい、異世…
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