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転生した王妃は親バカでした  作者: ぶるもあきら
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そうだ!ピクニックに行こう!



生後6ヶ月を迎えた我が天使(オスカー)


日に日に愛らしくなり、魔の6ヶ月と言われているグズグズ、イヤイヤ、夜泣きもドーンと来いって感じですよ。


ただこれは今の私が王妃という立場で他の家事を一切やらないからの言葉であって、普通のお母さんで初めての育児ならきっとどうしたら良いか分からずボロボロだろうなーと前世の母親達に本当ご苦労様と言いたい。


自分だって元太の時はそりゃーもうバタバタでボロボロだったし…


とすました顔で横にいるダーゲンを見ながら思った。



しかーし!

ひとつ気がかりな事が発覚!


オスカーが離乳食を食べないのだ。


6ヶ月に入り乳歯もはえて来そうなので早速ロニーとメニューを考えて離乳食を開始したのに、あまり食べないのよ…


口に入れてはベーッと出す。


次からはイヤイヤと口を開かず…


なんで?

元太なんか何でも食べたのに?


そりゃ上質な母乳の為に色々頑張りましたけど、母乳以外は受け付けないのだ。


離乳食の始めは栄養的な食事と言うより他の食材に慣れさせる目的がメインだと元太の6ヶ月検診で言われた。


これはよろしくないわ…

これからうちの天使(オスカー)が他の食材を食べられなくなる!(大袈裟)。


そこで考えたのがお天気の良い日にピクニック!


最近、支えてあげればお座りも出来る様になったし、目先を変えて離乳食を食べさせよう計画を発動したのだった。


王妃宮には優秀な庭師ダリルのおかげで美しい園庭があるし、日光浴程度でお外に出た事のないオスカーに外を見せたいのもあって私はいそいそと準備をした。


どうせならそのまま皆で昼食を食べたいわねー


と、離乳食の他にもサンドイッチやら果物やら用意して、let's ピクニック!!


モーリスやマリーヌは園庭にある四阿(あずまや)に行くと思ってた様だったけどそれじゃピクニックじゃないのよー

と、侍女に借りて来た真っ白なシーツを2つ折りにして芝の上に広げる。


ゴザとかブルーシートが無かったからちょっとチクチクするけど苦肉の策だ。


その真ん中に靴を脱いで座り、皆においでおいでをする。



「え?バネッサ様??」



困惑するマリーヌをはじめ乳母s。

そりゃそうだ。

王宮の使用人になれるって事は皆さんそこそこの位の貴族令嬢だったわけで、外で靴を脱いで、地面に座って何か食べるなんてとんでもない事だろう。



「ほらっここで皆で座って食べるのよ!オスカーもきっと興味を持つから!」



戸惑う乳母sに言うと1人1人と靴を脱いでシーツの上へ…

ふふふっ。

乳母sの皆んなは結局オスカーのためと言われると断れないのよねー


シーツの上に寝転がされたオスカーも開放感を感じているのか楽しそうにコロコロ寝返って遊んでるし。


渋々ながら皆で丸く座ってくれたので早速作ってきたお弁当を広げる。


実は私の作る料理、ここでは大人気なのだ。


そりゃ異世界の知識満載の母親歴18年のベテランよ。

唐揚げにチーズ入りの卵焼き、ポテトフライ、果物だってみんな食べやすい様にサイの目状に切ってきたわ。

ふふふっ…


それらを目の前にしたら、そりゃ我慢できませんわよ。


皆で楽しく笑いながら食べているところにオスカーにもさり気なく離乳食を口に入れてみる。



「「食べたーー!!」」



歓声に驚いたのかオスカーはキョトンとしているけど、それから皆に褒められてまんざらでも無さそう。


ひと口食べるごとにきゃーきゃー手を叩いて喜ばれて、結局完食できたのだった。



最後に…

いくら呼んでも、


「何かあった時困るから」


とシーツの上に座らず、後ろに立っていたダーゲンの口にも好物だった卵焼きを入れてやると、



「懐かしいな…」



と目を細めていた。




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