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転生した王妃は親バカでした  作者: ぶるもあきら
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お披露目パーティー?はい却下です。


オスカーが生まれて1ヶ月。


順調に私の楽しい育児生活は続いている。


細切れの睡眠に寝不足は否めないけど、乳母sもいるし、オスカーのお世話だけで料理、洗濯、掃除一切やらなくて良いのだから日本(あかり)の時に比べたら随分楽なもんだ。



「バネッサ王妃、お食事をお持ちしました」



オスカーを抱っこしながらぷにぷにを堪能中の私にロニーが声をかける。

どうやらもうお昼ご飯の様だ。



「あら、ロニーありがとう」



以前、ロニーに厨房を見せてもらいながら鑑定したところ日本と同じ食材が多く見つかった。


ただ味噌や醤油などの加工物や、やっぱりお米も餅も見つからなかった。


まぁ無い物は仕方ないと、今ある食材で私はロニーとレシピを考えて作ってもらっている。


おかげであんなに怯えていたロニーも随分打ち解けて、最近は自分でレシピを考えて作ってくれる様になった。

実は料理バカだったのかも知れない。


早速オスカーを乳母sに預けてテーブルに着いた。


「今日のメニューは…」


とロニーが説明してくれる。


カボチャのスープ

鶏肉とトマトのサンドウィッチ

海藻サラダ

ミルクとリンゴを4分の1個


んーー完璧。

バッチリよロニー!


特にこの海藻サラダ。

海藻は王宮では使われない食材だったのよねー。

海の近くの領地で漁の仕事をしている平民が腹の足しに食べる程度で貴族社会にはまったく知られていなかった。


でも私は絶対食べたい食材だったのよー

ミネラルは豊富だし、髪はツヤツヤになるし、お便秘解消にも役立つ優秀食材なのよねー!


たまたま王宮に卸す魚の下に緩衝材代わりに敷かれていた海藻を見つけられて本当に良かった!


塩とレモンの搾り汁がかかっている海藻サラダをモグモグ食する私にロニーが言う。



「バネッサ王妃、なんだか痩せられましたよね…」



そう!

そうなのだ!!

弾丸ワガママボディーだったバネッサは食事の改良と母乳育児の効果かこの1ヶ月で絞られて来たのだ。



「バネッサ王妃は最近魔術も良くお使いになるからその影響もありますね」



と、いつの間にか背後にいたモーリスが言う。


え?

そうなの?

魔術って痩せるんだぁ。

作者なのに知らんよそんな事。そんな細かい設定してないって。


モーリスが言うのを要約すると魔力を体に巡らせる事によって代謝が良くなるかららしい。


まぁ以前のバネッサは魔術なんか使わないよなー。

使わなくても周りがなんでもしてくれるからねー。


聖女が現れて、嫉妬から色々やらかす時になって使い出したはずだし…



「え?バネッサか??」



突然声を掛けられて視線を向けるとモーリスと一緒に来たと思われる赤毛の小綺麗な男性。


ああ…赤毛って事はあれだ…



「あら、ギースお兄様」



珍しい訪問者に嫌な予感しかしませんけど、来たからには仕方ないと一緒に昼食を勧めたら意外にも頷いた。


ギース=プラント。

実の兄ではあるけど、バカチンのバネッサを嫌っているはずなんだけどねー。



「食事ってこれだけか?」


充分ですわ。


「に、肉は食べないのか?」


蒸した鶏肉がパンにはさまってますけど?


「このピラピラした物体はなんだ?」


失礼ねー優秀食材の海藻ですわよ。



おかしいわギースってこんなに饒舌だったかしら?

バネッサに対してはいつも無関心か冷めた目で見てるだけだった気がするけど。


食事が終わって片付けられると、私には新しいミルク、兄には紅茶が出された。



「さて、お兄様いったい何の話がございますの?」



普段寄り付かない兄がこうしているのは何か言いたい事があるのだろうと先に促してみた。



「あー…レオナルドがなー」



兄は手にしていた紅茶をひとくち飲んで口を開いた。



「近々オスカー王子のお披露目パーティーを開くと言ってるんだが…」



お披露目パーティー?

話に聞くと王都周辺の貴族を呼びオスカーのお披露目と夜会。

また王宮の外に集まった国民にもテラスから国王と王妃でオスカーをお披露目するらしい。


てかあったわねー。

そんな行事。


でもそんなの知らんがな。

赤ちゃんは生後1ヶ月もすればお出かけしても良いと言われているけど、お披露目パーティーは駄目でしょう。

人混みよ!

何千何万の人にまだ抵抗力が弱い赤ちゃんを晒せるものですか。



「却下いたします」



おととい来やがれっ!



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