灰色の短編集

貞操観念が低いことがいけないとされる理由

「なぜ、貞操観念が低いことはいけないとされるのだろう？」

「君がそれを考え始めた理由は？」

「ある物語で貞操観念が低いことを後悔するキャラが出てきたんだ。なぜ後悔するんだ？」

「僕が思うに本質は自分の体という資産を軽々しく他人に渡しているという自己否定の念が付き纏うことだろう。他にも愛情がほしかったのに欲望だけをもらうなどの欲求との不一致。社会理想像とのずれ。何にしろ、他人が与える欲望に人生が左右されるのは自己決定権、主体感を失わされやすいのだろう」

「なら、覚悟をもって欲求やお金のためならいいという事か？」

「いいんじゃないか？　病気のリスクや結果としての子供もそれに纏わる大きい話だが、本人が後悔する本質的な理由は心の軸があれば問題なくなると考えている。君もそのキャラがスッキリ生きているか生きていないかはそこで判断するだろう？」