大蛇
「これを癒やせ。そして、どんな手段を使ってもいいこやつの力をさぐれ」
「はっ」
「はははっ。縦横無尽だ! 霊力と言ったか? この力万能の力! ……しかし、同類もいつか同じ力を使うだろう。秘匿して、内なる空間で修練しなければ」
「ふむ。ここら一帯は我のものになった……甘えるな。更に、外を見なければ」
「……ここまでか。これ以上侵略するのはコストが掛かり。内部も騒がしくなってきた。次なるステージに立つためには力を蓄えなければ」
「ふむ。100年が経った。我が権能も巨大化し、応用そして、線の外側も一部触れるようになった……行くとしよう」
「……よし、この島は我のものだ。島、か。まさかここよりも更に大きい土地があるとは。幸いなのがそこまで力の差がないことだが。侵略するには力が足りないだろう」
「200年経った。分身との情報伝達力を上げ島にいながら大陸と通信ができるようになった。統治とは情報である。これで最低限の土台は整っただろう。力を発見してから最大の武器になった不死も極まってきている。しかし、慎重に侵略するとしよう」
「500年経った。大陸の一部を支配下においた。ここまで来ると神でありながら修練をするなどは大した有利になっていない。しかし、先に始めたことでのメリットはそんな物を遥かに上回る。私以上の不死はいないし、これからも現れないだろう……信仰と本質を不死にしたのは英断だったな。とても強い概念だった。いくら強くても不死の概念があればいつかは勝てるはずだ。もちろん、私が赫の女王のように速歩きし続けるのならば、だが」
「1000年経った。私が、この星の神だ」




