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自分じゃない記憶
確かに僕はあの押しつけられた記憶の持ち主じゃない。でも、あの人でもある。勘違いだって? そうかな? 記憶を失ったら別人とは言わずともその人を構成する大きな部分が損なわれるだろう? なら、記憶が追加されたらもう一人の自分ぐらいには思っていいんじゃないか? だから、それなりに尊重し、僕はあの人の目的を叶えようとする。
近しい人に命を賭けるようなものだよ。大義や正義や好きな人なんかで命を賭けるのを否定する完全個人主義者? 自分以外の何かの為に命を費やすことは必ずしも自分を損なうことじゃない……何かのために命を賭けるのは君が思うほど悪いものじゃないよ。まあ、それぞれの価値観かな。でも、僕の価値観を否定してほしくないな。




