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悪意の終端
第4次逸脱大戦。僕の国である皇国で死んだのは100万人。総人口の3%だったらしい。それを超えるのが僕の目的だった。
でも、力も知もない僕はただ願っているだけだったよ。そんな思考に耽っていると、ある日それに至る祝福を得た。
何を得たのかって? それは『喪失』、だよ。家族は皆殺しにされ、一人ぼっちになり、犯罪者として定められ社会的地位は墜落した。でも、それこそが願いを叶えるチップだったんだ。喪失はそれを埋めるように全てを養分にして埋める。力と知を。
もうすでに総人口10%は地獄に行った。もし、彼らが行ったのが天国ならば嫌だな。皆すべからく地獄に行ってほしい。もし、皆が仲良く幸せに暮らすのなら僕があの世に送る甲斐がない。でも、多分大丈夫だろう。寿命ではない死はそこに痛むと恐怖と苦しみを生む。加害者にも被害者にも。そんな物を味わっておいて天国で幸せに暮らせるわけがない。多分天国も地獄に変えれるだろう。だから、どんどんもっとあの世に送ろう。地獄を味あわせながら深く深く。これはそんな物語だ。きっとね。




