ゲームと現実
「ゲームに境なんてないと思わない、全ては現実だし、ゲームでもある。有る意味、その準備をするためのコミュニティも人生もゲームの一部だとは思わない?」
「それはいいすぎだろう。流石に現実とゲームは違うんじゃないか?」
「確かに、だったら現実ってなんだろう。ゲームってなんだろう」
「改めて言葉にすると難しいな……空想と物質? 仕事と趣味? 外に行くのと家の中にいるの違いもあるな」
「現実のコンピューター上でゲームを遊ぶし、プレイする人はタンパク質で出来た物質だ。最近はゲームという概念はIPという概念に移行され、イベントや漫画、アニメなど多方面に変換される。その際、イベントに行くために電車に乗ったり、会場でコスプレをしたりする。サークルに参加すれば人間関係のいざこざなどがあるかもしれない。お金や儲けなどのビジネス的な側面も出るかもしれない。しかし、そういったゲームに関わったことで起きた事象も現実的と人は捉える」
「確かに、ゲームを仕事で作っている人はいる。だが、ゲームを仕事を作っている人はゲーム的ではなくなっている気がするな?」
「僕の解釈なんだけど……ゲームとは物語だよ。そして、現実とは命さ」
「命?」
「人間関係やビジネスの儲けを現実性と捉えるのか? それは命だからだ。その失敗は命に関わる。失敗の重みこそがゲームと現実の違い」
「確かにそうかも知れないな」
「逆に言えば物語に命を飲まれた人にとってはゲームは現実と言えるんじゃないか。自分の価値観や理念、感動が最優先になって、そのためには命も掛け金になってしまった人物にその境目はないだろうね」




