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人の意向の衝突
「人の意向と意向はぶつかり合う時がある。その人を嫌にさせた事実。着地点が見えない不明瞭。全てが不快だ。だから、嘘がある。覚悟がある。悪意がある。正義がある」
──うーん。まあ、それを受け入れるとして、君にとってそれらはそれぞれどういう効果があるの?
「『嘘』は衝突を誤魔化す力。正直に言うと意向の違いが明らかになってしまうから、そもそもの事実を誤魔化す」
「『覚悟』は衝突もしくは衝突の不快に耐えうる力。衝突は起こる」
「『悪意』は相手の不快さを無視する力。もしくは喜びかもしれない」
「『正義』は意向の規定を定める力。本来であれば個人を超えた大きな軸を持つことで不快さを軽減するものだが。よく個人の意向が規定になる」
──君は不快さをとても嫌がってんだね。でも、不快さを全部なくそうと思えば人と関わらないという選択になるんじゃない?
「だから、僕は一人なんだろ」
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