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煮込みスープが美味しかったよ


 一年前、ビルの屋上で死にたいなと思ったから殺すことにした。


「それで戦場行くなんてね……どうだった?」


「煮込みスープが美味しかったよ」


「えっ」


「まあ、疲れたし、死ぬリスクがあるし、ぶっちゃけめんどくさかった。唯一得たものが有るとしたら。人を殺した自信かな」


「どういうこと?」


「だって、僕は人を殺しているんだよ。殴って顔面を壊すほどの暴力を振るった人がいるとしても、それ以上の破壊をもたらしている」


「罪悪感はあるの?」


「最初に殺した人の顔も知らないからなぁ。顔を見る余裕がなかったし。まあ、とりあえず悪夢に出てくれるように一人だけは顔をみたけど……あまり。僕を責める夢を見たことは有るけど、怖いって感じただけかなぁ」


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