自分のキャラクター像
「はぁ~やむ~」
「……ふむ、近くにいる人間がため息をつくのは私に迷惑なのだが」
少し、厳しい言い方になったか?……しかし、私のキャラ的に大丈夫かなんて聞くのは……
「あっ、先輩聞いてくれますか~。昨日、研究でちょっと遅くなったじゃないじゃないですか? 家に帰ったらぺこぺこで遅めの夕食を作ろうとしたんですよ~。その時はカレーの気分だったんで~、冷蔵庫から食材を取り出しまな板に置こうとしたらそこにコップが有ったんです! 牛乳飲もうとしたのを忘れてました。で! お気に入りのコップを割っちゃったんです~!」
「怪我はしなかったか」
無駄な情報が多いとか、不注意すぎだろうと色々思ったが、まず口から出たのはその言葉だった。
「えっ……ああはい。ちゃんと掃除もしましたし大丈夫ですよ~」
「……そうか」
「先輩心配したんですか?」
「そんなことよりも、買う時はプラスチックのほうがいいかもな。やすいし、安全だ」
「それは、そうなんですけど、趣がないというか~~~~」
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……なんとか誤魔化せたか。私は冷静沈着で合理的で、同時に冷たく人の心があまりないと思われている。そういうキャラの範囲で行動するべきだな。いつもはそのキャラの範疇で内心を語る術は持っているのだが……後輩が怪我をしたのかと思ったら反射的に声が出てしまった……もっと冷静になるべきだったな。




