裏切りの備え
「人の恨みを舐めた。お前が死ぬ理由はそれだ」
俺は奴に恨みを持つものを集めて一人でいる所に襲撃をしかけた。1時間は援軍はやってこないだろう。それだけの時間があれば奴の死は必定だ。
「……ははっ、なら、恨みを買っている俺が何も用意していないと考えたのはお前の傲慢だな」
「なにを……」
「フェルン」
「なっ」
俺の大切な人の名を何故知っている!?
「綺麗な人じゃないか、なぁ」
「お前!」
「お前に注目していないと思ったか。いや、ちゃんと俺はみていたぜ、だから、お前の弱みは握っておいた、俺を殺してもお前の大切な人が生きているのを後悔しながら死ぬようにな。こういう策はお前だけじゃない。色々な奴に用意している」
「くっ」
「どうする。大切な人を無視するのかぁ~」
「仕方ない」
この場に至っては掛けるしかない、か。
「はっ?」
「まずはお前を殺して、すぐに助けにいこう」
「なっ!」
「お前は俺が襲撃するとあらかじめ分かっていたわけではない。ならば、連絡が届かないからすぐに殺すなんて出来るわけがないだろう、出来ても最短で一日。それまでに助けにいけばいいだけだ……そもそも、お前に死んだ後も従ってくれるような人望があるやつがいるのか?」
「お、お前」
「恐怖だけでシステムを構築しても上手くいないぞ……それに、俺がそんなまともな奴に見えるか? これは俺が気に食わないから殺す、裏社会同士の殺し合いだ。さっさと死ね」
「お前えぇぇ!!」




