強さの早さ
「これが、俺の……本当の力! これなら勝てる!!」
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「……がっ、なんで勝てないんだ!」
「はあ~全く……お前は確かに格段に強くなった。だがな、もうすでに準備は終わっている。周りを良く観ろ」
「なっ、この感覚は」
「この空間の干渉権は俺がほとんど獲得した。この領域では例え、Sランカーだろうと勝ち目は薄いだろうな」
「くそっ、せっかく真の力に気付いたのに……」
「遅いんだよ。この世界でちゃんと生き残っている奴らってのは、ただ強いだけじゃねえ。早く強くなったんだ。お前はもっと早く、自分の力に気付くべきだったな」
「……っ」
「じゃあな」
「だから、その時間を与えるのが儂の役目じゃよ」
「爺さん!」
「はっ、いくら元Sランカーだろうと、この空間で俺に勝てるつもりか?」
「……勝てんだろうな、だが孫の命は守らせてもらう。早くいけ、シュウジ!! ……元気でな」
「逃がすかよ」
「ここは通さん!」
「…………はあっ、はあっ……」
一人の少年が息を切らしている。周辺にはもう戦い香りはせず、ただ静寂のみが世界を包んでいる。少年は倒れ込む。
「……………くそぉぉぉぉ!!!!!!!!」
その叫びは長く、長く、続いた。




