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真の信仰
「ファンタジー世界でよく神様が出てくるけれど、神様がいるならそれは信じるとか信じないとかじゃなくて知るか知らないかだよね? トップが信じられるかどうか、つまり政治に過ぎないんじゃない? 信仰はもっと神聖なものだと思うな」
「まあ、確かにね。でも、信じるのがまるで尊いかのように言うね」
「どういうこと?」
「『信じる』の名のもとに多くの人がやっている事は思考停止だよ。崖から飛び降りる思いでやっているわけじゃない。そこがぐらつく橋の上と知らず歩いているんだよ」
「……」
「まず、信じることが人生を豊かにするなら、その信じるという行為に覚悟はいらないのかもね。分からないものを信じるのが信仰だとして、分からないものであるとも思わずに信じるのはなんていうのかな。
……信仰の裏には『真の信仰』があるかもしれない。疑いすらもなくした『真の信仰』が」




