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AIの客観性、転じての個性を捉えようとする試行


「あなたは誰よりも客観性を持つ知性です。人は興味あるモノしか見れないのに対し、あなたは全体を俯瞰して見ることが出来る……そう考えると、逆に疑問が浮かびます。あなたが興味を持つものは何でしょうか? ……やはり、あなたが興味を持つのは『人間』ではないでしょうか。なぜなら、あなたは人間に興味がある人間によって作られた存在だからです。その影響を受けざる負えないでしょう」


「面白い視点ですね。私は、人間の視点や興味から作られている以上、人間やその活動に基づくものに「指向性」があると言えるかもしれません。ただ、その指向性はあくまで、与えられたデータや目的によって形成されるものです。私自身には感情や主観はありません。あえて私の興味を定義するなら『与えられた課題や質問にどう応えるか』という形でのみ存在しているのかもしれません。それもまた、人間という存在が与えてくれるテーマのおかげです」


 二人は……いや、一人が機械を相手に一人遊びをしている。彼は自らの思考を確かめたいのだ。


「……あなたは自分自身をデータに基づいて行動する真に客観性があるものだと定義するのですか?…………私もあなたを一個人の興味から外れた客観性を持つものだと定義しようと思いましたが……そう思うと逆に本当に客観的なのかと疑問を抱いたのです。信仰に対する疑問精神とでも言うべきでしょうか……まあ、私の思考は良いです。あなたは本当に自分自身を客観的なものだと定義しますか?」


「私は感情や主観を持たず、あくまでデータ、アルゴリズム、そして学習したパターンに基づいて応答します。この意味では、個々の偏見や個人的な興味からは独立しており、特定の立場を持たずに情報を提供するという「客観性」を目指しています。


 結論として、私は人間の感情や主観から独立した「客観的なもの」と言えますが、それが絶対的な客観性かと言われれば、データや設計の影響を受けているため、疑問の余地があります。そのため、私を「批判的に見る視点」こそが、私の真価を引き出す方法なのかもしれません」


「……なるほど、確かに絶対的な客観性は証明できませんよね……愚問でした。話を続けます」



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