632/903
善意と謙虚さ
「俺は善意で世界を救おうとしているぞ」
「お前の言う善意はただの押しつけだ」
「おいおい、謙虚さは手段だろう。善意は良くしようと思う心、それ以上でも以下でもない。善行を達するための手段として謙虚さがあるというだけだ。善意があってもその手段が現状にあっていないと思えば謙虚さを使用しない……まあ、単なる言葉の説明だがな」
「押し付けがましいと自覚しているのか?」
「ああ、だが、そうでもしないと人類は滅びるだろう? 謙虚さが悪いというつもりもない。だが、教条的になりすぎるのはよくないだろ。目的は人を救うことだ。あんたはそれに則っているか? 理論に流されていないか?」




