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泣き像


「あれから色々調べた……これだ」


 友人は手に持っている何かを俺の方に投げてよこした。確認するとクリアファイルに様々なサイトの記事のファイルが入っている。


「色々なサイトで紹介されているじゃないか。知らなかったが有名な怪異だったみたいだな」


「いや、よく見てみろ」


 そう言われ、じっくり目を通すと、何か妙な違和感を覚えた。どれも記載された情報が曖昧で、詳細な情報がぼかされている。いや、怪談なんだから、曖昧なのはおかしいことじゃない、よな? ……背筋に冷たいものが這ったような感覚……気の所為だ。


「本当のことを載せているのは、最初に俺たちが見つけたサイトだけだ。それ以外は、どれも内容がふわふわして、真相に触れているようで触れていない……でも、おかしいのはもっと前だ」


「前?」


「なぜ、俺らは正しい情報があるであろうサイトに真っ先に辿り着けたんだ?」


「………!」


「もしかして、()()()は狙った獲物だけに、あのサイトを見せたんじゃないか?」


「……つまり、俺等は選ばれたってことか」


 狙われている──それは怪異という曖昧さで誤魔化そうとした恐怖を決して逃さず、本能からの恐怖に姿を変えた。本当は、自覚していたのかもしれない……あの目は、獲物を見つけた目だという事に。


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