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原生生物再生計画 2
「…………」
「…………」
「動かないっすね」
「動かないな」
「どうして動かないんスかね? 普通なら、食料を探しに動き回るハズっすよね?」
「そのはずだが……仕方ない。こちらから栄養を与えるしかないな」
「それは不自然じゃないっすか?」
「仕方がないだろう。栄養を与えないと、すぐに死んでしまう」
「…………」
「…………」
「……動かなくなりましたっすね」
「……動かなくなったな」
「……ちゃんと食料を与えたっすよね?」
「……ああ、『人間』に必要な栄養はあれで十分だったはずだ。実際、1ヶ月は動いていた」
「……じゃあ、なんでっすか?」
「……分からない」
「…………」
「…………」
「やっと成体まで到達したぞ!」
「やったっすね、先輩!」
「これで、ようやくこの文明に何があったか解明できるぞ!」
「やったっす…………あっ……」
「どうした?」
「施設の外に出したら…………動かなくなったっす」
「…………」
「…………」
「また一からやり直しだな」
「はいっす……」




