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ゲーム世界の破壊欲求
「ゲームだからって、こんなことしていい理由なんか無いだろう!」
俺のもたらした光景を見て、プレイヤーの一人が叫んだ。
「ゲームだから、かぁ……でも、実際は君はこれでショックを受けて自殺するのか、包丁で腕を刺すのか、君はこれで悔しくて涙を流すのか? 『クソッ!』って壁を殴るのか? そんな事しないだろう。ゲームでそれほどの破壊力があるのかな。俺はしたことがあるが、皆はそんなに苦しんでくれるのか。俺が苦しむぐらいの苦しみを味わうのか?」
「何を言っているんだ」
俺の言葉は現実とゲームの境界がぼやけている言葉だ。引いているプレイヤーが目に映るが、それよりも自分の世界を理解することが重要だ。世界がクリアされポリゴン状に消えていく光景の中思う。
「破壊はどこまでいく? 俺はどこまで破壊したい?」




