光と闇の相克 ~清浄なる神への祈り~
「聖、豊かたる我らが神よ。我らに死後の祝福を」
「「「「「聖、豊かたる我らが神よ。我らに死後の祝福を」」」」」
寂れた教会で立派な教会の服を来た司祭が祈りを捧げる。同時に後ろの人々も続く。一部、裕福そうな格好をしていたが、ほとんどの人はボロボロの服を着ていた。
祈りの儀式が終わり、恰幅がいい男性が声をかけてきた
「やはり、中央で学んだエリート様だけあって素晴らしい説教でした」
「私が優れているのではなく神の愛を語っているに過ぎませんよ。そして説教ではなく教導です。まだ参加してくださっているほとんどの方は神の祝福をうけていません。神の祝福を受けていない民に教えを授ける場合は教導と呼びます」
「いやあ無作法者で申し訳ない。本当司祭様には感謝しているのですよ。物事をより深く見ることができるようになりました」
「あなた達の助けになったのならそれにこしたことはありません」
祈りの儀式が終わった後もただ祈りただ救いを願った。
私は違和感のある人事でこの街にやってきた。私を嫌っている権力者に心当たりはなかったが……だが、私にとって必ずしも不満を抱くものではなく、ただ神の愛を感じそれに対しての思索を捧げられるこの場所は居心地が良かった。
このままこの場所で一生を捧げてもいいかと考えていたほどだ。しかし、運命はそれを許しはしなかった。
ある日、神の愛が感じ取れぬ無法者がやってきて全ては壊された。信徒もこれから信徒になってくれるはずの人達も皆が殺された。最後、皆の死後の祝福を祈っていると、教会は黒く黒く染まった。
黒く染まった床から現れたのは馬に乗った頭のない騎士。騎士は無法者を殺し、臓物に教会を染め上げ更に黒く染めた。
「お前は死ぬ。お前の死がこの場所をより染め、我らの使命を達するための礎となるのだ。どうだ、絶望したか」
私は悟った。私がここにきたのはこのためだったのだと、これが神の計画、神の祝福。無法人によって教会の信徒、町の人々は大量に死んだ。それでも、それが必要なことだと語るのですか。
…………我らは神の使徒である故に捧げよう。捧げ捧げ全てを落とすのだ。
教会の様子が変わる
「なにを、なにをしたあ!」
「この空間は強い霊地だ。だから悪用されないように仕掛けは施してある。さあ、我らとともにここに残ってもらおうか」
これで、この空間は封鎖した。これにより、今ここにいる存在は誰も出れなくなる。……死者も含めて。加えて、これほど闇に染まった空間に居続ければ魂は闇に染まるだろう。
全ての信徒の魂を闇に堕とし、眼の前の地獄の使徒を閉じ込めた。これでよろしいのでしょうか、神よ、神よ……。神を疑いながら私の意識は闇に染まっていった。




