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世界の許し
「なぜ、貴方は変わってしまったの。私たちと一緒に世界と戦っていたのに」
「確かに昔の僕は、不幸で周りが憎たらしいと思っていた。だから、不幸な人を増やすのが平等だと考えていたんだ。でも、そんなのは楽なバランス取りだ。頑張っている人を落とすだけの話さ。幸せな多数派みたいな単純な切り口で見ていたから視界が曇ったんだろうな。皆が大変でありながらも踏ん張って幸せを維持しているんだよ」
「……そう。あなたは世界が好きになれたのね」
「そうだね。この世界を守ろうとしている人たちのことを、幸せな多数派ではなく、頑張っている人と見れた。だから、もういいんだよ」




