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相性のいい二人
大学構内で男女の二人が話し合っている。
「一つ一つ削っていくことが重要。何かに期待すればその欠陥を知り、一つ一つ失望していく。そうなった自分こそ楽しい理想でもある」
「はあ、理想の自分になることが一番と。その理想の自分がネジ曲がっていても、そういうことなんですね……」
「まあ、前にも言ったけど、それは失望したのを後から望んだモノだと自分に言い訳した結果かもしれないけどね」
「いやあ、まあ良いじゃないですか、言い訳でもなんでもなんか前に向いている感じ、嫌いじゃないですよ」
「ありがとう。僕も君のある程度の理解とあまり責任を負わず適当に肯定している感。嫌いじゃないよ」
「へへっ。相性がいいですね。私達」
二人は楽しそうだ。




