灰色の短編集

孤独な人の恋愛観

「貴方はどういう人と一緒になりたいですか？」

「昔は自分の事愛してくれる人と一緒になれたいと思ってきた。でも、最近は変わってきたな。愛してくれる自分の事だけを考えてくれる人がいたとして……それで自分は満足なのかな……って。

　結局あまり求めていないのかも。僕は自分のことしか考えていなくて自分の事が大好きな人なんじゃないか……って。

　だからこそ自分を捧げるふりをする。で、結局愛していないのに愛するフリをするから別れて仕事も家庭も崩壊する……そんな妄想。

　でも、これも悪くないかなあって思ったり。だって愛していないけど愛したふりは出来たってことだし。結局ふりすら出来ないよりは良いかなって。

　何(・)か(・)を持てないままここまで来たから、自分の心ぐらいしかもう楽しめるものが無くなった感はある。ぶっちゃけ、僕にとっての恋愛は『恋愛小説を読んだ時のどういう恋愛が好きかって語る』とう感じに近いからなあ」