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駆け落ち

 

 あなたを愛しています例え凍てつく運命であろうと。

 あなたは貧しい家庭の子供で、私は一般的に名家と呼ばれる一族の出身でした。本来ならば、関わることもなければ、見ることもない関係でした。

 しかし、運命のいたずらか私と貴方は出会いました。それから色々ありましたね。最初はどうでも良い人と思っていました。

 でも、いつしか私はあなたに恋をしていました。そしてあなたもそれを受けいれてくれました。それは幸せな時間で、死んでもいいと本気で思いました。その長いようで短い時間も家族に知られて消えてしまいました。

 どうすればいいのか悩みました。あなたと一緒に話し合い、駆け落ちするとあなたは決めました。私も、決めました。

 予定日、荷物を纏めて家から飛び出しました。待ち合わせ場所にあなたがいて本当にうれしかったです。悔いがないと思いました。空には不吉にカラスが飛んでいましたが覚悟は決めています。

 いくらか走ってあなたは休憩をしようと提案をしてくれました。あなたは相変わらず綺麗でした。そして、私のこともきれいだと言ってくれました。

 ですが、それは嘘でしょう。名家の娘だった私が急に走ったので何度か転び土でボロボロになっています。そして、これから私はもっとボロボロになるでしょう。

 それでも愛してくれるかもしれません。でも、あなたの目に映る私は綺麗な姿であってほしい。笑顔を向けているあなたに抱き着いて、静かにナイフで首を斬りました。

 私を刻み付けるために痛みを与えるのか悩みましたが、刻みつけるためとはいえ痛みを与えたくなかったのですぐに逝かせました。練習が上手くいって良かったです。私もすぐ行くのでちょっとだけ待っていてください。あなたさま。

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