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肉塊の花
肉塊の花がそこかしこに咲いている。それらは生体兵器が野生化した変異生物『フレッシュフラワー』と呼ばれる。野生化した身体を鞭のように使い、人間、ミュータント、生体兵器を狩って生息域を広げている。
元の兵器では多様で精密なセンサーが含まれており、微細の違いを感知できた。しかし、野生化してエネルギーに多大な制約がかかった今では、センサーの精度は大幅に低下した。
しかし、ある面ではより厄介になったと言える。それぞれの個体が異なるセンサーを持ち、ある個体は光学迷彩でごまかせても、別の個体は嗅覚センサーをごまかさないといけない。
加えて、ある個体が感知した情報は他の個体に伝達するため、逃げることは不可能。ジャックして誤情報ごまかそうとしても、セキュリティも多様化しており、複数の個体を支配するのは難しい。対処が難しい特に危険な変異生物と言えるだろう。
フレッシュフラワーが大量繁殖された場所では、フラッシュフラワー以外の動くものがいない不気味な場所になり、その花はおぞましき死の花と呼ばれる。




