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静かになりたいが静かになれない人


 動きたくない、息をしたくない。全てが無に返って欲しい。誰もいない世界でただ静かに眠りたい。


 …………だが、そんな事俺に出来るわけがなかった。世界は動くし、激しいし、敵がいる。それを誰よりも知っている俺がただ安らかにだって? 不可能だ。


 ああ、辛い、静かに生きたい。でも、そんな願いを馬鹿にするかのように、窓が割れる音が響く。何者かが忍び込んでくる。武器を持ち、隠れることもなく殺意をむき出しにする者達……昔の復讐者か。




 復讐者といえ奴らも人間、思考する存在だ。勝算があって殺しにきている……確かに俺がただ寝ているだけの俺だったなら死んでいただろう。


 だが、眠りたい夜、俺は飛び起きて修練を行った。修練をし続ける日々を、敵が来たときの対策を、捨て去ることは出来ない。


 脳内は常に敵をどう殺すか、メモ帳にも強くなる方法と殺す方法、家中に罠と武器をそこら中に仕込む。それら全てをやりきってやっと眠れる。そんな生活だった。




 ピアノ線によるバラバラ死体。決して外さない投擲、相手の投擲を止まって見える動体視力。いつしか敵は全滅していた。


「ああ、これで安心できた……のか? それとも、敵が来るという確かな事例で俺は止まれなくなるのか、どっちなんだ?」


 分からない。ただ確かなのは、死体の処理は俺がやらないと行けないという事だ。この面倒くさい後片付けにうんざりするか、笑うべきか、俺にはわからなかった。


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