359/904
ただ一つ残った自由
救い出され、不自由と抑圧から解放されたのは嬉しかった。そして、恩人は私に使命と人生をを与え、友人も戦友も出来た。だが、私が真に求めているのは違った。全てのしがらみとそれに付随する『何か』それが私は鬱陶しかったのだ。
使命を果たし、友人も戦友も失った先……私はそらを見上げた。そのそらに幸せも快感もなかったが、自由があった。人は幸せや快楽だけに生きるのではなく、幸せはただの一つの選択に過ぎない。私にとって重要なのは、自由であることだったのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全てを破壊し尽くした大罪人はそらを見上げた後、どこかに消えていった。その名は以後の歴史のどこにも記されていない。




