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吸血鬼という役職意識


 私は吸血鬼だ。ふむ、吸血鬼とは何かって? 私からすれば吸血鬼は吸血鬼でしかなく、むしろ人間の方がいまいち分からないが……人間というのが生物という呼ばれるものなら、吸血鬼とは生物ではなく役職みたいなものだ。親もなく生まれて吸血鬼という役を全うするために生きる。




 さて、闇に紛れて血を吸っていくか。

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 よし、血が吸えた。これで5000人目の血だ。なかなかの数だろう。これは吸血鬼界でも中々大物なんじゃないか……うん? 意識がとお…の……く。


 ……ここはどこだ? ……ふむ、どうやら意識が失っていたようだ。白木に縛られて力が出ず、周りには村人たちが囲んでいる。


 村人は次々に何か叫んでいる。何々「お前のせいで息子がミイラに」、「家族が皆バラバラに」と。へえ、多分バラバラは私じゃないな。バラバラにしたとしても後で血を吸うだろう。まあ、私以外の役職のモノがやったのだろう。それでも村人は飽き足らず叫び続けるが、私に言われても、って感じだな。私は役職をこなしただけだ。


 そうしていると村人は叫ぶだけでなく殴ってくる。ボコボコだ。まあ私は吸血鬼だ殴る程度じゃすぐ回復する。


 村人は次に四肢を切断してくる。中々正しいな、血の力も無限じゃないから、そうすることで殺すことができるはず。


 さらに村人たちは私の肉体を壊してくる。これで私という存在も終わりか。終わる前に5000人吸ったのは中々なのではないか。では、さよなら。

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