裏切りと逃れられない罪 3
いつの間にか夜が更けていた。
「なんでこんなことになっちゃったんだろう」
胸の奥にはまだまだ彼との思い出が残っている。でも、さっきの彼の邪悪な笑みが全てを塗り潰していた
「いやっ、止めて!!」
もう、彼がどんな顔で笑っていたかも思い出せない。
その後、とぼとぼと村に変えていった。遅くまで帰ってこなかった心配掛けていたようで皆が私を探し回っていた。
「ハル! どうしてこんな遅く……どうした、何かあったか?」
遅く帰ってきた私を最初は叱ろうとした父さんだったが、私の表情を見ると心配そうな声に変えた。そんなに、変な表情しているかな。私は無感情に説明した。彼が裏切り者で私のせいで家宝が奪われたって。
父さんは私を厳しく処罰すると思った殺されるかもと。でも。
「……そうか、それは辛かったな……」
お父さんも村の人も私のことを心配してくれた。どうして、私を慰めてくれるの。その優しさに私は感情が抑えきれず泣き叫んだ。
「あああああああああ!!」
それからは皆が悲しみながらどこか荷物を下ろしたように日々を過ごしていた。私も周りの人のおかげで悲しみが癒やされて落ち着いてきた頃、それは起きた。
山に果実を取りに行った帰り大きな音がした。嫌な予感がして村に帰ると大地が割れて呑み込まれていた。
「どうして、どうして!!」
そして、思い出した。私の秘宝は大地を操る力があることを。じゃあ、これは私のせいで……違う、違う!!
あいつが、あいつのせいで
「ルイィ! 私は絶対にあんたを殺す。苦しめて、どうしても死なせてほしいと懇願させてやる!!」
慟哭は長い間続いた。




