表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
244/903

火に囚われた男


 あの時感じた時の、熱い、痛い……なにか。


 薄れゆく意識の父親の表情を覚えている。でも、僕は燃え盛り、母親も黒く動けなくさせたゆらめく赤をずっと見ていた。


 それから僕はもうあれに囚われて抜け出ることはできなかった。


 


 僕はいや、私は研究者になった。火とは何なのか、どんな可能性があるのかを追求し続けるために。そして、その研究成果が現世に出現して大いなる力を発揮する時僕はどうしようもなく興奮した!!


 そして、力には痛みと破壊をもたらし……私ではなく妻も子供を代償として連れて行った。




 私の妻も同じ専門の研究者で子供も仕事場に連れてくることが多かった。そして、私達は兵器の開発をしていた。


 しかし、私はまだ、炎の魅力に取り憑かれている、家族を失おうとも、それで人生が損なわれようとも。それでも、まだ。




「痛みと苦しみ、大いなる力がああなんて美しいのだ」


 私が子供が大好きなお菓子を持ち望んいたときの表情で燃え盛る街を見ていた。


「ゴホッ、ゴホッ。触れていないものも痛めつけるこの力。素晴らしい」


 地面に倒れゆく、もう立っていられないようだ。これで終わりか、ペンダントの家族を見ながら最後を告げる。復讐はした。いま、そっち……に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ