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リッチ

 

「ここは天国だ。家は寂れ、肉は虫の苗床になり、骨だけが動き回る。ああ、落ち着く、薄っぺらい人間関係や社会なんてものは崩れ去るのが美しさという物だろう」




 殺す殺す!殺す!!俺の家族はウジ虫に食われた。俺も無事じゃなく右手をもうない。何年かかろうともあいつに絶対に復讐してやる! 


 あれから十数年。俺はアンデッド専門のハンターとなっていた。全ては報いを受けさせてやるために。今から俺は仇の元へ向かう。


 帰ってくることはないだろう。この町には俺をここまで育てたくれた恩人も、何度も背中を守ってくれた仲間も、慕ってくれる後輩も、憎からず思っている女もいる。だが、それらすべてに背を向けて、俺はいく。じゃあな。


 その瞬間、俺の第二の故郷は虫の群れに沈んだ。


「なっ」


 その虫は人を食らい、卵を植え付け、一瞬で成虫に代わりまた別の人間を食らう。必死になって、突入した。護符で虫から守りながら。


 恩人はウジ虫の苗床になっていた。見たのは他の人にゾンビのように襲い掛かる姿。


 仲間たちは守るべき人たちを背に、火などで覆い払っていたが、民の中に寄生されていたらしく、後ろから襲われて死んだ。


 後輩達は、ムカデに食べられながら叫んでおり、他の人たちへの撒き餌になっていた。


 そして、大事だった女は。座っていた。大丈夫だったのかと安心しながら駆け寄ってみると、ぶよっと人間なら感じないような感触がして、服を脱がしてみると、たくさんの虫が飛び出した。もう、彼女に人間らしい部分はなくほとんどの部分が食われていて、虫がその代替をしていた。




「うーん、最近は木造建築ではなくて石の建築物が多いからな、虫に食わせられないな。これからは、石も食わらすことが出来るような虫を作るべきかなあ。あれ、何か向かってくる肉がいる。醜い奴が近くに来ないでほしい」

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