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その選択の理由


「直ぐ様殺して良いのですか主様」


「……」


 城には炎が渦巻いている。中からは悲鳴とグシャと人に嫌な想像をさせる音が鳴っている。


「単に魔獣をおびき寄せただけです。ただ目に映る人を爪でバラバラにするでしょう。今からでも中に入って何人か捕まえてきましょうか?」


「…………いい」


 痛みと苦しみの象徴である城が崩れていくのをただ黙ってみていた。


 地獄のような苦しみを受けた。だが、何もしないで、ただ殺すのは。もはや、狂っているほど、優しいか? なら、そいつの内蔵を取り出し食べさせたり、子供ころして上げたら気分爽快かな、それとも性器を痛めつけたり、四肢を切って串でオブジェクトにしたら、気分が爽快になるか。


 それでも足りぬと、想像の上を誰かに頼むか。良いな。いい感じの痛みだ。では、ただ殺すのは優しいか?


 怒りと憎しみと劣等感が俺に叫ばせる。そう、痛めつけたやつに痛めつけないのは自分がレベルが低い存在だと感じさせる。そのプライドが奴らを楽に殺すなと。


 ……一度、復讐相手を痛めつけながら殺したことがある。その時の俺は目が表情が醜かかった。自分が見えたわけではない。だが、とても受け入れらなかったのだ。その笑いが俺を痛めつけた奴らのようでとてもても苛ついた。


 暴力的に感情を発散させる姿が俺は嫌いだった。だからこうした。無駄にリスクを負わず、簡単に敵を滅ぼす選択を取った。




 隣の部下を見た。彼は私の視線を見て跪いた。


「なにか、ご所望でしょうか」


「……いや、なんでもない」


 いつも、従ってくれた彼を見て、彼を危険に合わせなくてよかったと自分の劣等感が薄っすら消えていった。

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