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王道ファンタジー

 

 俺は農村からやってきた、最高に出来立てほやほやの冒険者だぜ。英雄になってやるぜ。そうして冒険者ギルドにやってきた。でも、ここではあんまりイベントは起きなかった。


 まあ、怖そうなやつらばっかりだし良かったぜ。で登録したんだが、仲間が来なかった。なぜに! 英雄ならいるはずなのに、おかしい。これはおかしい。という事で文句言った。


「仲間がいないんだけど、おかしくない?」


「はあ、こちらのギルドでは自己責任で仲間を集めてもらいます。そこに仲間の募集要項があります。どうですか」


 よし、英雄の仲間よ来たれ。という事で片っ端から声を掛けた。しかし、だめだった。実績がないぼーやに対して世間は優しくなかった。悲しい。そんな中、声をかけてくれた子がいた。


「あの、一緒にパーティ組みませんか」


 かわいい。


「組む組む。さあ一緒に英雄になろうぜ」


「いえいえ、そんな英雄なんて」


「無駄だぜ、俺と手を組んだからには英雄になるしか道はない。というか、今まで断られたのも君と出会うためだったんじゃないかな。ほら英雄となるにはそれなりに華がないといけないしね」


「えぇ…ちょっと、パーティお断りしてもいいですか」


「いやいや何言っているんだ。もう言ったでしょ。もう言ったからパーティお断りは聞きません。もう決まりましたぁ」


 と華麗な交渉術によってパーティを組むことが決まった。


「まさか、泣きながら縋りつくとは」


「そんなログなんて私にはありません」


 じゃあ、クエスト行こう。今受けれるのは下水道のネズミ退治か。良いんじゃないか。


「えっ、いいんですか、てっきり『英雄が受ける初クエストがこんなもんではよくないゴブリン退治しよう』とでもいうかと思っていたんですが」


「おいおい、それは英雄を舐めすぎだろう。英雄は何でもできる。だから下水道をやってもいいんだ。それに、下水道だからと言っても簡単じゃないし、通常通りいくとは限らないんだぜ」 


「英雄さん、初めてあなたの事を見直したかもしれません。では、解毒薬を用意していきましょう」


「よし行こうか」


 下水道は臭かったが、すぐになれた。この程度英雄なら乗り越えて当然。仲間も嫌そうにしていたが帰ろうとは言わなかった。やはり、この仲間は当たりだな。やはり英雄のパーティに相応しい人材だ。よし、やる気出てきた。いくぞお。


 そうして、やる気が出たパーティはネズミをクエストの数倒した。しかし帰り道に困難は訪れる。

 ひどく嫌な予感がした。いや、これは嫌な予感などではない! 明確な、吐き気を催すほどの腐臭だ!! 腐臭はますます強くなっている、原因が近づいてくるのだと分かった。


 ……音が聞こえた。こすれるような、何かが潰れるような音だ。危機感に汗が流れる。さらに近づいてくる。もうすぐそこだ。…………そいつは姿を現した。


 巨大な人型がこちらを見ている。


 目の当たる部分には暗闇のみがあり何物も映すことはない、顔は一秒ごとに形を変えこちらを見ている! 恐慌を抑え、よく見るとボトボトと何かが垂れおちている。ネズミだ! 腐ったネズミが集まって巨大な赤ん坊を模している!! 怪物は悍ましい鳴き声を叫びながら襲い掛かってきた。


 《怨嗟に叫ぶネズミの胎児》が現れた!


 恐れず英雄は怪物を切り裂いていく。しかし、仲間は動けない。動けず隙だらけの仲間に小さいネズミが襲い掛かっていく。無視したらた倒せるかもしれない。


 しかし! 英雄が仲間を見捨てていくはずがない。たくさんのネズミから仲間を体で守る。その後、振り回してネズミを殺していったが、噛まれた毒は体に残っている。薬で回復できるかは五分五分だろう。そのことを自覚しながら英雄は言った。


「言っただろう、英雄は仲間を守る物だと、安心したまえ、出来る限り君のことは私が守る」 


 そうして仲間は恐怖から抜け出し、詠唱をした。襲い掛かってくるが、英雄によって近づけさせない。仲間の杖から飛び出した巨大な炎球によって《怨嗟に叫ぶネズミの胎児》は滅んだ。


 それから、冒険者らしく、ネズミの胎児の討伐照明を取り出して、冒険者ギルドに提出した。そうしたらそれは相当危険な魔物らしく賞金首も出て、その賞金で回復魔法を受けることができ、どうにか危機を脱した。


 帰りの宴会では美味しい物をたくさん食べた。


「思ったんですけど、英雄は仲間を守るって言ってなかったですよね」


 なんか危機的状況に流された今更の突込みをされた。


「ふっ、言葉で言っていなかったかな。ならばもう一度言おう。俺は英雄になる男だ、英雄は仲間を見捨てない。出来る限りは」


「ああ~今、できる限りはっていった~~!」


「仕方ないだろう。絶対に不可能なことが出来るか! だが、ネズミの前に体を投げ出すことぐらいはできるぞ、それでいいだろう」


「ええ~! かっこいい事言ってほしかったなあ英雄でしょ」


「そんなぁ」


 二人の声は何処か嬉しそうなまま絶えることはなく夜は更けていった。

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