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愛の責任


 僕はベッドに沈んで悲しんでいる。


「愛している。君の事が好きだ。愛しているんだ」


 僕は悲しみにくれ、愛を語る。ああ、僕は愛しているんだ。


「あなたは本当に愛していますか?」


「誰だ!」


「君が愛しているのは自分だけでは」


 その言葉に耐えられない。


「いや、愛しているんだ」


「なら、なんで努力をしないんですか、ここで悲しんでいるのですか。愛したなら愛した責任を果たさないと行けないのでは。自らが都合がいいだけの行動をするのは気持ちいいですか、楽しいですか」


「お、お前は何なんだ。なぜ、悲しみにも浸らせてくれない」


「私は貴方です。あなたは愛が薄い。だが、愛がこうであるべきという理想は高い。だから、めんどくさくても、辛くても、やらなくてはいけません。……責任を果たさなくてはいけません。分かるでしょう」


「……分かっている、だけど怖いんだ。もし、僕が責任を果たそうとしても僕はすぐに辞めてしまうんじゃないかって。それに、こうやって悲しんでいる様子を見せることでみんなも僕に同情してくれる。愛していたと認めてくれる」


「そうですね。貴方が表に出ることで愛していないと思われるかもしれませんね、否定されるかもしれません。あなたは辛くて諦めてしまうかもしれません。みんなにも自分にも愛を認められないかもしれませんね。

 でも、たとえ、そうだとしても貴方は責任を果たさなくてはいけません。そうでしょう」


 ………………………そうだね。


 僕は立ち上がり、部屋から出ていった。



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