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褒め言葉と虚無


貴方はなんという偉大な思索の持ち主なんだ

感動しました


貴方は私を感動させる力を持ちます」


「貴方のお陰で救われました」


「涙が出ました」


「貴方こそが救世主です」


「救いとは貴方の名前です」


「救うには。救われるにはやはり、貴方でなければいけない」


「貴方こそが救いです」


 闇から声がする。


「夢幻の褒め言葉。壮大で宗教的。夢幻と知りながらそれでも沈みますか。それとも、それでは届かないと虚無に浸るか。あなたは届きますか。救われますか」


 私が目を瞑ると、闇はヒビ割れて現実に浮上する。答えなど言う必要すらもない。




 私は瞼を開けた。

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