男子高生の駄弁り ~肝試し~
茶髪で元気そうな男子高生と黒髪できっちり整えている優等生っぽい男子高生が駄弁っている。
「ああ、宿題面倒くせえ。そう思わねえ?」
「まあ、めんどくさいけどやるしか無いじゃん」
「はあ、相変わらず優等生なことしか言わないな」
黒髪は苦笑した。茶髪は何かを思いつくと、スマホを取り出して彼に見せた。
「あっ、そうだ、今日暇つぶしに肝試ししねえ?」
「また、急に変なこと言い出して」
「いやいや、いつものようにネット掲示板見てたらこの近くにいわくつきの所があるらしいんだよ。楽しそうだろ」
「まあ、言ってみても良いかもね。ただ、宿題終わらせてからだよ」
「ああ、思い出させるなよ」
「まあまあ、僕も手伝うから」
男子学生の二人の前にはツルが絡まった門があり、その奥には闇に沈んだ屋敷でカラスが鳴いている。
「おお、ここが、いわくつきの場所。雰囲気あるなあ」
「というか、これって不法侵入じゃない、入っていいの?」
「まあまあ、冒険するにはそんなこときにしてちゃやれないぜ」
「し、仕方ないな。入るよ!」
夜になり屋敷は暗く沈んでいる。何かがいてもおかしくない雰囲気だ。会話の中で平常心で恐ろしい場所を語れても実際に見ると印象が変わることもあるだろう。黒髪は勇気を振り絞るために少し声を上げて入っていった。
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「全くねえなあ」
「……ああ、そうだねえ。最初は凄い緊張したけど何もなかったから最後には逆に何か探すほどだったよ」
「まあ、今回は仕方ねえな。次も何かあったら来きてくれるか」
「君が誘うならまあ、クルサ」
そう言って一人は家に帰っていった。




