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めんどくささ

 

 僕はまだ、自分のめんどくささよりも大事なものを知らない。




 今日も朝日がやって来る。


「ああ、面倒くさい」


 僕は、歯を磨いて髪を整える。今日も寝癖が酷いな。鏡を見ながら適当に流す。


 洗面所を出て、ふらつきながらリビングに雑に座る。低血圧で朝は調子が悪い。ぼーっとしながら今日も哲学的な思索にふける。起きてくる父親と母親に自然に対応しながら、裏では少し気持ち悪さを感じながら。


 家を出る。電柱を通り過ぎて、いつもどおりの通学路を通る。満員電車や座れないバスに既視感と気持ち悪さを感じながら。


 


 学校が終わる。同じ通学路を通る。家に帰る。部屋に入る。鍵を閉める。ベッドに寝転がる。目を瞑り、寝息を立てる。寝ないままで。

「…………zzzzzzz]




「…………んん」


…………ここは……ああ……部屋か、どうやら眠ってしまったみたいだ。ああ、変な時間に起きると明日がつらくなるのに。仕方ないか


「……なんか食べるか」


 そう言って、僕は冷蔵庫に向かっていった。

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