灰色の短編集

呪いが日常になった世界

「あなたの悩みはなんですか」

「俺の悩みは俺を遊ぶやからに対して一遍の後悔もさせられねえことだぜ！　おれで遊ぶという事は俺で遊ばれるってことも覚悟しているってことだよなあ！　さあ、今こそバトルフィールド開幕だぜぇ。この玩具の闘技場ボトルコロシアムでは俺たちと戦い、全てに勝利しなければここから出ることはできない！　負ければ当然、死！　さあ、どうする！　絶望して死ぬか、もしくは一片の望みをかけて抗うか！　絶望にそもった顔を見せてくれよ。俺はそれで遊びたい！」

　ある日、呪いの大暴走が起きた。いや、そもそも呪いなんてものがこの世にあったからは分からない。

　だが確かに世界は変わった。玩具は子供を惨殺し、人形は動き回り、夜に化物が這い回る。世界は呪われた。だが、人間は呪われながら、呪いながら生きている。

　「呪いの物品を手に入れてしまったあなた。捨てたいけど、いつの間にか家に戻ってきて捨てられない。そんなお悩み誰にでもあると思います。今日、紹介しますは最新型の金庫でございます！　おっと、この最新型は従来の金庫とは違いますよ。従来の金庫はただ押さえつけるだけでした。それだと呪いがたまって、すぐに金庫を買いなおさないといけませんでしたよね。ですが、この新型なら違います！　なんと、付属の呪力結晶を与えることで呪物を満足させることが出来るのです！　さらに！　餌付けをすることで利用することも出来ちゃう。むかつく相手を呪いたい。そんなとき、調教した呪物を使えば、次の日、憎い相手は首を吊っているでしょう。さあ、この最新型いまならなんとXXXXX円！　今だけの出血サービス、今を見逃すと損しますよ～～。連絡はフリーダイヤルXXXX－XXX-XXXへ！」